下見時のチェック項目例


今日はイギリスで住居を探した際の、下見時の自分のチェック項目についてお話します。カテゴリー「イギリス住居関係」の他の項目の続きです。下見する家の探し方については、前回までの回をご参照ください。


まず下見をする前に、いろいろな項目のうち、自分は何を優先して何に妥協できるか、を考えてください。例えば、同居人のタバコは我慢できても外の騒音は我慢できない、とか、駅から遠くてもいいから広めの部屋が欲しい、どか、人それぞれ重みづけは違うと思いますので、それをまずいろいろ考えてみて、でその中から絶対に譲れないものをいくつかに絞り込んでください。自分の希望が全て揃うような完璧な住居など見つかるわけがないので、住む場所を決めようと思ったら何かしらの妥協・犠牲は必要なように思います。特にイギリスでは住宅事情が日本とだいぶ違いますので、それなりの厳しい選択を迫られることもあるかもしれません。ただ、周囲の治安や家の防犯はできるだけ優先させてください。この国では空き巣や窃盗、強盗が多発しています。安全は当たり前のものではなく、お金を出して買うものですので、ぜひ重要なものと考えてください。


<基礎>

  • 大家がしっかりしているか(参照:悪い大家の見抜き方
  • 家やその周囲に落書きや割れた窓などがないか
  • 周囲の道は明るいか、人通りはあるか
  • 大家は一緒に住むのか、同じ建物か、別の建物か


<家(部屋)全体>

  • ドアがきちんと閉まるか、鍵が2つ以上あるか
  • 窓がきちんと閉まるか
  • 天井や壁に大きなしみがないか
  • 上の階や外の音がうるさくないか
  • 床が傾いていたりギシギシいわないか
  • 火災報知機や防犯ベルはあるか


<設備>

  • ボイラーは大きくて新しいか
  • お湯は出るか、量は十分か
  • 冷蔵庫、洗濯機はきれいか、壊れていないか
  • 電球や換気扇等は壊れていないか
  • 家具等が壊れていないか


<契約上の項目>

  • 光熱費は家賃に含まれているか、込みか
  • 光熱費別の場合の支払い方法
  • 家具を新たに入れていいか
  • 禁煙やペット等の規制はあるか
  • 庭がある場合、庭の管理は誰がするか


<その他>

  • キッチンは電気か、ガスか
  • 暖房の方法は電気か、ボイラーか
  • 電話会社はどこか、既に番号はあるか


基礎の項目は治安・安全をみるものが中心です。周囲の荒れ具合はその地域の治安の良し悪しを物語っています。グラフィティ(graffiti)と呼ばれる落書きや地面の焼け焦げ・汚れ、ガラスの破片の量などにも用心してみてください。


設備に故障や不具合が無いかどうかは、見た目では分からないことが多いので、必ず下見の場で自分で試してみてください。例えばたんすの引き出しのレールが外れていたり、ソファの座面がすぐ凹んだりするような不具合は、自分で実際に開けたり座ったりしないと分かりません。蛇口はひねり、スイッチは入れ、椅子には座り、窓は開け、引き出しは引き、クローゼットは開き、鍵は開け閉めする、というように逐一試してみた方がいいです。そしてもし不具合がある場合にはその場で指摘し、対応をどうしてくれるのかを尋ねましょう。


天井や壁に大きなしみがある場合、その部屋は結露がひどかったり、水漏れや雨漏りがある可能性があります。イギリスの家は古いものが多いためか、床が傾いていたりデコボコしていたり、またひどいギシギシ音がする場所があったりしますのでご注意ください。


フラットシェアを下見する際には、できれば全員のフラットメイトに会って話をしましょう。様子や人となりからいろいろ分かります。一つ屋根の下で暮らすことになるので、あまりにも価値観や生活スタイルが合わないような場合には止めた方がいいかもしれません。


なお、前の住人(募集中の部屋に今住んでいる人)に話を聞くチャンスがある場合には、なぜそこを出て行くのかを尋ねるといいと思います。何か外的な理由、例えば学校が変わるだとか、帰国だとかいう理由ならいいのですが、あまり理由がない場合、その部屋やフラットに何かしらの問題がある可能性があります。既に前の住人がいなくなってしまっているような場合も、慌しく出て行ったため次の住人を探す期間がなかった、という可能性があります。邪推しだしたらきりがないのかもしれませんが、短期間で人が何度も変わっているような場合は、何がしかのわけがあると考えてもよさそうです。居心地のいい部屋なら基本的に出て行く理由がありませんし、もし出て行く際にも、何か外的な、やむを得ない理由があるものです。


自分の住みかに対する希望は、言い出したらきりがなく、どこも気に入らないことになってしまいかねませんで、住居探しは結局は妥協の連続なのかもしれません。ただイギリスでは日本とは違う事情が多々ありますので、譲れないところは譲らずに、いい住みかを見つけ出してください。住まいなどの生活でのストレスは、小さいながらも蓄積してじわじわ効いてきますので、くれぐれもご注意を。



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イギリスのテレビコマーシャル考

MatchofTheDay2007-06-16



イギリスのテレビで放映されているテレビコマーシャルは、インパクトが強く、ポジティブイメージを与えるよりもインパクトを重視しているように思います。今日はイギリスのテレビコマーシャルについて考えたことをお話しします。


この国のテレビコマーシャル(アド(ad)とだけ呼ばれたりします)には、よくできたいいものも多いですが、ちょっと脅し気味だったり嫌悪感を抱かせたりするものも多く見受けられます。一部ジャンルでは男性の欲望にかなり素直です。映像があまりないですが、いくつか特徴的なものをご紹介します。


<自動車事故防止>
政府機関のコマーシャルで、走行中の携帯通話はやめましょう、という内容なのですが、画面の左に運転しながら「これから帰るよ」と電話する夫が出て、その電話を受ける妻が右に出るのですが、夫の乗る車が急に衝突して、夫は意識を失い、妻は案じて声を掛け続けるものの返事がない、というような流れです。コマーシャルでいきなり人が事故に遭う(鼻血を出して意識不明なので重篤なようです)、というのはちょっと刺激が強すぎるような気がします。
ttp://www.youtube.com/watch?v=8cdxHwCb5EM
その前にも、交差点で左右をきちんと確認しよう、という内容のコマーシャルで、運転席のドアに右から走ってきたバイクが激突する、というものがあり、初めて見たときはびっくりしました。


マクドナルド>
チキンのフィンガーフライのようなもの(名前は忘れました)のコマーシャルで、2歳くらいの小さな子供と夫婦がマクドナルドに来ていて、奥さんが旦那のフィンガーフライを横取りすべく、子供が持って遊んでいたぬいぐるみを取り上げて、地面に落として旦那の椅子の後ろに蹴り飛ばし、旦那が拾っている間に奥さんはフィンガーフライを1本くすねる、というもの。もう唖然としました。子供の大切なおもちゃを投げ捨てて蹴とばすなんて、正気の沙汰ではありません。この国ではモノを大事にしませんから(参照:人の物を投げる人々)、見た人も別に何とも思わないのかもしれませんが、自分には恐ろしささえ感じられます。製作側は、そこまで人を狂わすようなおいしさ、とでも言いたいのでしょうが、そのフライはおよそ食べる気になれません。


自動車保険ポータル>
AA(Automobile Associationという、日本のJAFのような団体)のサイトで自動車保険を安くしよう、というような内容のコマーシャルだったと思いますが、14歳くらいの息子を学校から家に運転して帰る母親が、息子にいろいろ話しかけるものの、息子はヘッドホンをしてゲームに夢中で、一言も口をきこうとしない。後部座席にはAAのスタッフが乗っていて母親に助言をするが一向に話をしないので、下り際に母親が怒って息子を呼びつけると、息子は後ろのスタッフに「year」とだけ言わせる、というもの。息子に反抗期が来るのはそれほど悪いことではないのですが、親子の会話がないという状態を見せられても、見せられた側はあまりいい気持ちがしない、少なくともAAのサービス(かゆいところに手が届く、というようなメッセージなのでしょうが)に対していいイメージを持つ、とはおよそ思えません。たいていのイギリスの家庭ではこれが日常茶飯事なのかな、と変に勘ぐってしまいたくなります。


<男性用ボディスプレー>
複数のブランドがあり、コマーシャルでもしのぎを削っていますが、作りはどれも男性の欲望に忠実で、「付ければ女性にモテモテ」というメッセージを強烈に与えます。髭剃りやシェービングクリームも同じような感じです。使うとセクシーなお姉さんが大挙して走り寄ってくる(下のもの)、彼女が色目を使ってほおずりしてくれる、シュッと一吹きで息子の彼女までメロメロ、というような、実に分かりやすいコマーシャルが多いです。子供に見せてもいいのかな、というようなものもたくさんあります。
ttp://www.youtube.com/watch?v=FD0rHQu5yWE


日本のコマーシャルについて持っている印象に基づいていろいろ書きましたが、イギリスのコマーシャルは、視聴者にいかにインパクトを与えるか、ということがやはり中心にあるものの、その手段が日本よりちょっと過激、と言えるように思います。最後に、イギリスのものかは分かりませんが、skodaというメーカーのコンパクトカーのコマーシャルです。お菓子職人がたくさん集まって、原寸大とおぼしきお菓子の車を作るものです。評判はかなり良く、日本でも有名なようですが、自分にはインパクトだけに見え、車そのものもお菓子のように柔なのかな、と思ってしまったりしますが、皆様はいかがでしょうか。
ttp://www.youtube.com/watch?v=NwBE1l6QexU



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銀行口座を開く


イギリスで留学生が苦労するものの一つに銀行口座の開設があります。日本と比べてかなり時間と手間がかかります。現地の口座が必要でないなら開設しない方がいいかもしれません。今日はイギリスで銀行口座の開設についてお話しします。


まずは本当にイギリスで口座が必要かを検討します。必要なケースとしては、奨学金等がイギリスの銀行の口座にしか入金されない、住居費を小切手(check)やイギリスの銀行口座への入金で払う必要がある、というようなものに限られるように思います。小切手帳(checkbook)はイギリスに口座を開かないともらえないようですが、小切手帳がもらえない口座を開設しないようにご注意を。銀行口座への入金ですが、自分が口座を持っている銀行に持っていって処理してもらう必要があるようです(あまり自信がありません。恐縮です)。もしこういった理由がなく、開設する必要があまりない場合には、口座を開かない方がいいかもしれません。以下お話しするように開設手続きが面倒ですし、また帰国時の解約も懸案になります。クレジットカードやこの国でも使えるキャッシュカードを持ってくれば、特に不便なく暮らせます(参照:イギリスのATMとインターネット取引)。


口座の開設ですが、最近変更があって要件が厳しくなったようで、留学生が口座を開くには、①留学生たる身分の証明、②ID、③イギリス国内での住所の証明、の3つの書類が少なくとも必要です。このうち、②IDはパスポートか学生ビザ(若しくは両方)でOKで、①留学生たる身分の証明は、学校の入学許可書(offer letter)で大丈夫です。大学のはんこやサインがないようなら学生窓口(student service centre)ででももらいましょう。問題は③イギリス国内での住所の証明で、offer letterに書いてあったりするといいのですが、そうでない場合はちょっと準備が必要です。イギリスに来てしばらくは仮住まいで、定まった住居が決まっていなくても当たり前ですが、そのような住居だと銀行は受け付けてくれなさそうです。寮に入れれば、学校からの入寮許可の通知でいけますが(自分はこれでした)、民間の住宅だと契約書の写しや大家のサインを用意することになると思います。場合によっては、電話や電気等の公共料金の請求書の写しを求められることもあります。


申込用紙は、ダウンロードできるもの、オンラインで申込みできるもの、支店に取りにいかなければならないもの、と銀行によって異なるようです。


これらの書類とそのコピーを持って、銀行に向かいます。銀行は平日の9時から17時まで開いていますが、一般に順番待ちが長く、時間によっては2時間以上待たされることもあるため、開店すぐに行った方がいいです。支店は、できれば学校の近くがいいです。学校から遠いと、その学校の存在すら知られていないケースがあって、ちょっと面倒だからです。目的の支店に着いたら、カウンターでなく個別のデスクのようなもののあるほうに行って、店員に「I am an international student, and I would like to open a bank account.」とでも声を掛け、順番に入ります。必ず声を掛けてアピールします。自分は順番を待っている、ということを表明して店員や周囲に認知させないと、後から来た人に順番を追い抜かれてしまうので注意しましょう。本でも読みながら気長に待ちます。


順番が来たら、デスクの相手(担当者)に、留学生で口座を開きたい旨話し、必要書類を渡します。相手は書類や要件の確認語、パソコンに入力しながらいろいろ聞いてくるので、きちんと答えます。書類と要件が揃っている場合は、キャッシュカードと小切手帳がいつごろ届くかを話されて終了です。初日は意外に早く終わります(といっても銀行の店員の事務処理速度はかなり遅いですが)。足りない書類がある場合にはそれを持参する旨指示されます。帰り際に、その相手の名前や連絡先を確認しておきます。今後の問合せや連絡はその相手に行うことになるからです。カードや小切手帳が届くのは早くても2週間後です。もし3週間余り経っても何も来ないようなら、迷わず銀行(自分が話した相手)に連絡しましょう。この国では事務処理能力が低く、発送が忘れられているようなことがしばしばあります。


自分は早くから動き出せたこともあり、幸いにも1ヶ月で開設できましたが、2ヶ月近くかかった友人もいました。カードの郵送が遅れるくらいならまだましな方で、担当者が書類をなくしながら何も連絡してこなかったり、そもそも自分の開設申請自体が忘れられていたり、というケースもあったようです。担当者にはいつ頃カード類が届くかをたびたび確認し、遅れたようならすぐ問い合わせましょう。学生の口座開設は9月下旬から10月に集中しますので、少しでも早くに申請してください。
小切手の使い方や振込みのしかたについては、また日を改めてお話しします。


おまけ:見つけた銀行の関連サイト

Barclays
ttp://www.wealth.barclays.com/BRC1/jsp/brccontrol?site=int&task=channelFWgroup&value=98&target=_self

NatWest
ttp://www.natwest.com/microsites/personal/student/index.asp

Lloyds TSB
ttp://www.lloydstsb.com/current_accounts/student_account.asp

HSBC
ttp://www.hsbc.co.uk/1/2/personal/current-accounts/student-service/international-students;jsessionid=0000pBLmehMa0oZDmLkMNyhV5lm:11j7a92s0



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コッツウォルズの3つの町

MatchofTheDay2007-06-14



ストラットフォード・アポン・エイボン観光に引き続くドライブ旅行の2日目は、コッツウォルズ(Cotswolds)地方の3つの町を訪問しました。今日はコッツウォルズ観光についてお話しします。


コッツウォルズ地方はロンドンの150kmほど西部、ストラットフォード・アポン・エイボン(Stratford upon Avon)、オックスフォード(Oxford)、バース(Bath)、スゥィンドン(Swindon)に囲まれた一帯をほぼ指すようです。この地方で取れる石材の一種ライムストーン(limestone)で作られている建物(一部は今でもわら葺き)が多いことが特徴です。人気になったのはそれほど昔からではないようですが、イギリスの田舎町として有名なようで、たくさんの観光客が訪れています。電車の便があまりなく、車やツアーでないと回りにくいですが、そのあたりが田舎っぽくてよいのだとか。ガイドブックを片手に3つの町を選び、訪問することにしました。


ストラットフォード・アポン・エイボンから少し南西に下り、まずはチッピング・カムデン(Chipping Campden)を目指します。大通りに面して石造りの建物がずっと並んでいます。その真ん中辺り、バス停の近くにマーケットホールという古い建物があります。17世紀に作られたものだそうで(屋根は20世紀の復元)、柱や床に年月を感じます。



続いてバイブリー(Bibury)へ。一大観光地なようで、駐車場には車と人が溢れています。川沿いの道を歩いてArlington Rowを目指しますと、途中から長屋のような建物が見えます。川には白鳥やカモが遊んでいます。長屋のような建物は見た目にとても古く、それが坂のたもとまで連なっています。中には今も人が住んでいるようで、写真の黒い服の女性はちょうど長屋の中央の建物から出てきたところです。マスの養殖場や古いホテルがあるようですが、寄らずに町を後にしました。



そして最後はカースル・クーム(Castle Combe)へ。チッペナム(Chippenham)から標識に従って北西に向かい、駐車場を過ぎて坂を下り、途中の木陰で車を止めてさらに歩いて下りていくと、町の広場に出ます。広場にはマーケット・クロス(market cross)と呼ばれる古いモニュメントがあります。ここは古い町並みがそのまま残っていて、広場の周囲には教会と住民の家が取り囲んでいます。広場から川に向けて下るこの町のメインストリートにも、石造りの家が立ち並んでいて、趣があります。ごく小さな町(村?)ですが、家並みや古い教会など見所は多いですし、パブもあり、駐車場も広いのでおすすめです。車に戻り、メインストリートをもう一度下って町を出ました。



3つの町にはそれぞれ公共駐車場があり、またある程度は路上駐車も可能なようですが、前2者の町は平日にもかかわらずかなり混んでいたので、土日は車を止める場所を見つけるのに苦労するかもしれません。また、前2者はすっかり観光地化していて、カフェ等もそれなりにありましたが、不思議と寄る気は起きませんでした。この地方はクリーム・ティー(参照:スコーンとクロテッド・クリーム)がおいしいらしいのですが、もったいないことをしました。ホテルやB&Bも、泊まってもよかったのですがかなり高い感じがして、結局次の目的地のソールズベリ(Salisbury)の近くに宿泊しました。


ドライブ自体は、正直言ってあまり楽しいものではありませんでした。他の車が気になって車窓からの眺めを楽しむ余裕があまりなかったからです。基本的にイギリス人の車は爆走し、車間をぎりぎりまで詰めてプレッシャーをかけてきて、で追い越していきます(参照:イギリス人の車の運転)。どうしてあんなに前の車との車間を詰めるのかが全く理解できません。自分の運転技術の高さを誇示したいのでしょうか。前に車が走っているのが我慢ならないのでしょうか。いずれにせよ前の車にはたまったものではありません。そういった大人気ない、子供じみた振る舞いが多く、閉口しました。景色を楽しみつつのんびりドライブ、などということは、この地方では(イギリス国内ならどこでもそうかもしれませんが)決してできません。


振り返ると、この地方は建物を見るのに尽きるのかな、と思います。町の中心だけでなくても、石造り・わら葺きの家はいくつもあり、花で飾っていたりして絵はがきそのものの家もたくさん見ることができます。車を止めて歩ければ一番いいですが、そうでなく車窓からだけでも十分楽しめます。ちょっと期待しすぎていたきらいもあったようです。



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学校提供のサービスは早い者勝ち


イギリスに限らない話かもしれませんが、学校から提供されるサービスは早い者勝ちのものが多く、その割にあまり広報されません。今日は学校の便利なサービスをいかに利用するかについてお話しします。


大学院からは、学生向けにいろいろなサービスが提供されています。論文の書き方講座や授業の受け方講座などの授業サポート系から、無料英語講座や留学生の交流イベントなどの留学生向けサービス系、寮や駐車場の利用やキャンパス内のロッカー使用などの施設利用系など、実に広範なサービスが提供されます。有料・無料から資格制限等条件はいろいろありえますが、なかなか便利なものばかりです。こういったものを利用しない手はありません。


こういった便利なサービスは、あまり積極的には周知されません。人が集まって混乱するのを避けるためか、職員の作業方法が悪いからかは不明ですが、自分から探さないと目につかないケースが多いです。ウェブサイトのどこかにひっそり掲載されたり、キャンパス内の限定された掲示板に貼り出されるだけだったりします。そもそも大学のウェブサイトもあまり更新が良くありませんし(参照:イギリスのウェブサイト事情)、情報の掲載が不十分だったりするのでしかたのないことかもしれません。


しかも、そのようなサービスは、ファースト・カム・ファースト・サーブド・ベーシス(first come first served basis)、いわゆる早い者勝ちで提供されることが多いです。受付開始から順にリストを埋めていき、埋まった時点で受付終了となるわけで、掲示を見つけて受付場所に行っても、すでに募集は締め切られていた、なんていうことはしばしば起こります。締切になったらすぐ掲示をはがしてくれるほど親切ではないので、こういったことが実によくあります。


以上のように、早い者勝ちなのに情報がひっそりとしか出ないので、サービスの情報をいかに早く見つけ出すかが重要になります。


そのようなサービスの情報を効率よく見つけ出す方法ですが、まずは時期です。そういったサービスの募集受付が始まるのは、学期開始前に集中します。ですので、9月(または8月)には、ウェブサイトや掲示板を注意深く見て回るといいでしょう。続いて情報のジャンルから、掲載・掲示の場所を絞ります。上記の3つを例にすると、授業サポート系は図書館やlearning support centreのような部署が担当しますので、その部署のある建物の掲示板やそのサイトをチェックするといいと思います。留学生向けサービス系はlanguage centreやinternational student centreのような部署を、施設利用系は図書館やsecurity centre、student service centreのような部署を、それぞれ当たってみてください。ウェブサイトであれば日本にいる間からも探せますので、ぜひ一度チェックしてみてください。


最後に自分の経験を。ロンドンの大学院では授業の準備コースのようなもの(pre-sessional course)を受けたので(参照:4.渡航の準備・生活設計)、学期中の授業サポート系のサービスについては、ランゲージ・センターの講師から情報を得ていました。受付開始の朝9時に行ったらかなり列ができていてびっくりしましたが、無事登録できました。寮にはオンラインで申請し(一部書類を日本から郵送しました)、1次抽選では補欠になり、2次抽選では一応当たったものの、寮生活があまりにもひどかったのでキャンセルしました(参照:寮生活での経験)。図書館に個人用ロッカーがあることは学期開始後に知りましたが、当然のごとくに受付は終了していました。リーズの大学院では、英語の補修講座に出たかったものの、試験選抜に漏れてしまい無理でした。授業サポートは授業と重なっていて出られず、寮ははずれ、ロッカーは汚かったので申請しませんでした。


学校が提供するサービスを利用するには、早い者勝ちを制するしかありません。早めに探して受付開始日に朝早くから申請しましょう。



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ストラットフォード・アポン・エイボン観光

MatchofTheDay2007-06-12



課題論文が無事終了したので、その記念にイングランド中西部・西部をドライブして回りました。今日はストラットフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)観光についてお話しします。


ストラットフォード・アポン・エイボンは、エイボン川に面したストラットフォードという意味で、シェークスピアShakespeare)のゆかりが深い町として有名です。イングランド中部の大都市バーミンガム(Birmingham)の少し南にあります。リーズからはM1を南下し、レスター(Leicester)から南西に向きを変えて30マイル程で着きました。



着いてからまず宿を探します。B&Bの並んでいるGlove Roadに行き、空室のあるB&Bを見つけて今日の部屋を確保。車を止めたら観光開始です。




町には文豪ウィリアム・シェークスピアゆかりの建物など、古い家が数多く残されており、そのうちのいくつかは財団(Shakespeare Birthplace Trust)によって管理されています。まずは生家へ。大きな通りに面していますが、玄関と思われるところはふさがれていて、隣の博物館から入場します。初版本などの展示を見た後で庭から家に入場です。チューダー様式の木骨作りで、16世紀の家としてはかなり大きい部類に入るようです。中には古い板造りの椅子や天蓋つきのベッドなどが置かれ、また屋根の造りなど、当時の建築方法もよく分かります。家は皮革商だったそうで、当時の道具類も残されています。庭もきれいでした。




町から離れ、シェークスピアの妻アン・ハザウェイの実家へ。町の南西部にあり、大きなわら葺きの家です。ちょうど葺き替えの作業をやっていました。建物の中は撮影禁止なので写真はありませんが、傾いた床やゆがんだ木をそのまま使った柱や梁など、とても趣がありました。ちなみに食堂の床は16世紀当時のままだそうで、よく来ていたというシェークスピアも歩いていたものだとか。




続いてメアリ・アーデンの家に向かいます。母親の実家ですが、今は農場の様子も展示の対象で、畑が再現され、納屋や鳩小屋が残されていて、古い道具類が展示されています。豚や鶏の在来種も飼育されていました。






晩御飯は16世紀から営業しているという建物の古いパブ、ギャリック・イン(Garrick Inn)で食べました。ここもまた木骨作りで、壁や柱に時代を感じます。食事はいかにもパブというようなものでしたが、値段もそれほど高くないのでおすすめです。町には古い建物がたくさんあるので、散策も楽しいです。天井の低い木骨作りの家をそのまま住まいにしていたり、改装して店舗として使っていたりします。




翌日はまずホールズ・クロフトという家へ。シェークスピアの娘夫婦の家で、最晩年をすごした家だそうです。婿は医者なだけあってこれも立派な家です。建物には、古い家具類のほか昔の医療器具なども残されていました。主寝室が特に立派でした。庭も広く、バラが芝生に映えてきれいでした。




最後に、シェークスピアの墓のあるホーリートリニティー教会(Holy Trinity Church)に向かいます。町の南のエイボン側沿いにあります。墓は祭壇のすぐ手前の床にあり、その左の壁には死後まもなくに作られた彫像があります。その他にも、シェークスピアの洗礼・埋葬の記録や、彼が洗礼を受けたといわれている洗礼盤、16世紀の聖書(英語)などが置かれています。教会の建物自体も古いようで、天井が石のアーチではなかったり、扉が木製の立派なものだったりします。


シェークスピアの生誕から死去までを一気に見て回りました。シェークスピアは実はストラットフォード・アポン・エイボンを若いうちに離れてロンドンに出ているそうで、ずっと住んでいたわけではないようですが、生まれた町、そして今も眠る町として、ストラットフォード・アポン・エイボンはとても有名です。17世紀から今に至るまで多くの観光客をひきつけるシェークスピアは、この地の偉人に間違いありません。


上記4つの家とナッシュの家との5つは、お得な共通券で入場できます。午前中から回れば1日で十分見られます。ただアン・ハザウェイの実家とメアリ・アーデンの家は町から遠いため、車か観光バスを利用しないと大変かもしれません。ロンドンから日帰り観光バスも出ているようですのでそれを利用するのも手です。でもできれば車で来ることをお勧めします。駐車場は町にそれなりの数がありますし、丘が連なる郊外の風景も素晴らしいからです。



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スコーンとクロテッド・クリーム

MatchofTheDay2007-06-11



イギリスにもおいしいものはいくつかありますが、スコーン(scone)とクロテッド・クリーム(clotted cream)の2つのコンビネーションはとても気に入っています。1足す1が3になるような組み合わせだと思います。


スコーンは、○池屋のではなくて、バターがたくさん含まれた、クッキーとパンの中間のようなお菓子です。干しブドウ(sultana)やナッツ入りなどもあります。クロテッド・クリームというのは、クリーム状でクリーム色、生クリームの乳脂肪がさらに濃くなったようなもので、日本ではおよそ見かけたことがありません。それぞれ単独で食べてもあまりおいしくないのですが、合わせて食べるとすごくおいしくなります。あえて表現するなら、スコーンの粉っぽさがクリームのなめらかさで補われ、香りや甘みが引き出される、という感じでしょうか。いくらでも食べられそうです。ちなみに本来はスコーンにはクリームの他にジャムを同時に付けるのだそうですが、なくてもおいしいです。


写真はスーパーで売っているスコーンとクロテッド・クリームです。それほど高くありませんが(スコーン6個で0.99ポンド、クリームは1.49ポンド)、十分楽しめます。スコーンはラップをせずにレンジに30秒ほどかけ、横半分に切ってからさらに小さく分けてクリームをつけて食べます。


スコーンは、アフタヌーンティーで出てくる3つの食べ物のうちの一つです(残りはサンドイッチと小さいケーキ)。そこまで身構えなくても、紅茶とスコーン、クロテッド・クリーム、ジャムのセット(クリーム・ティー(cream tea)と言います)は、観光地のカフェなどで手軽に楽しめます。昨日まで行っていた旅行でも2〜3回食べました。見かけたらぜひ一度お試しください。



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