留学中のストレスマネージメント


留学中はつらさを感じることも多いです。が、自覚症状もなく日々じわじわと溜まっていくストレスの方が実は恐ろしかったりします。今日は留学中の息抜きとリラックスのしかたについてお話しします(参照:留学初期のショック)。


勉強は大変です。母国語を使えない生活も厳しいものがあります。生活習慣や文化も全く異なります。そういった意味で、留学はとてもチャレンジングなものです。ストレスが溜まらないわけがありません。偉大な先人を含め、留学経験者は努力を重ねて素晴らしい成果を持ち帰ってきたわけですが、その道のりは決して平坦ではなく、またその途中で一度や二度は必ず、挫折したり転んだり弱音を吐いたりしているものです。それが留学というものです。留学中はぐにゃぐにゃしたり弱音を吐いたりしてはいけない、なんていう規則なんてありません。


そうやってまとまった形でストレスを解消することも重要ですが、日々コツコツとストレスを解消していくようにすると、留学生活も少しは楽になるかもしれません。やり方は各個人それぞれあると思いますが、自分は週に1回24時間のオフ枠を作り、強制的に自分を休ませていました。土曜日の昼から日曜日の昼までとか、日曜日24時間というふうに設定し、そのオフ枠の間は決して勉強しないことにして、その分のんびりしたり外出を入れたりしました。本も読まず、文献の検索もしない、と徹底し、パソコンの電源すら入れないようにしていた時期もありました。


外出は、決まったところで決まったことをするのではなく、あまりなじみのなかったことにも積極的に手を出すようにしました。イギリスは舞台芸術や展示がすごいので(参照:舞台芸術の)、友人にクラシックのコンサートやバレエ、オペラなどに連れて行ってもらったり、美術館・博物館に何度も足を運んだりしました。効果については、あまり自覚はありませんが、逆に変な罪悪感や閉塞感にさいなまれたりするようなことも、その期間中はありませんでした。むしろ効果の自覚がないということが、効果があった証左なのかもしれません。


外出も、人によっては新しいところを開拓するようなことはせず、気に入ったところに足繁く通うことの方がリフレッシュできるのであれば、その方がいいかもしれません。いろいろ試してみて、自分の元気が回復するな、と思えることを選んでみてください。


大事なのは、スケジュールに枠をあらかじめ設け、必ず休むことだと思っています。留学に行くような人は今までまじめに努力してきた人ばかりです。イギリスで出会った人を見ていてつくづくそう思いましたが、そういう人は知らず知らずのうちに、「せっかく留学したのだから頑張ってきちんと成果をあげなくちゃ」「最大限努力しなくちゃ」とはりきりすぎているものです。また、勉強の進め方も、「調子がいいから」「よく分かる今のうちに進めないといけないから」「ついでだから」というようなことで、区切れなく(ダラダラと)勉強を続けてしまいがちです。これでは頭も心も息切れしてしまいます。勉強するときは勉強し、休むときは休みましょう。勉強が計画より遅れたからと言って、休みを削って勉強してしまってはいけません。計画はあくまで計画です。それを守れなかったところで別に何が起こるわけでもありません。変に無理をして頭と心を必要以上に疲れさせてしまうことの方がよっぽど影響があります。英語の勉強のところでお話ししましたが、脳にはデフラグの期間が必要なので(参照:英語の上達)、週に1度はデフラグできる時間を設定しましょう。



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図書館と電子図書館(electric resources)


イギリス大学院での勉強は、図書館や電子図書館なしには成り立ちません。大学の図書館はオンライン化が進んでいて、パソコンから検索、予約、更新、文献のダウンロードまでできます。今日は図書館と電子図書館の活用方法についてお話しします。


図書館の入館証はたいていが学生証なので、登録が済んで学生証が発行されると図書館に入れるようになります。9月末や10月には図書館の利用法について図書館職員が説明する説明会がたびたび開かれるので、ぜひ一度出席しておいてください。特に、貸し出しのしかたや一度に借りられる本の数、貸出期間、更新の回数と期間、開館時期・時間といったところが重要なので、早めに情報を入手しておきましょう。図書館は大学で1つとは限らず、キャンパスや学部ごとにあったりします。そういうところを利用することもあるので(そこにしか蔵書されていない場合など)、アクセスのしかたや取り寄せの可否なども聞いておきましょう。


図書館には閲覧スペースや自習室のほかに、パソコンクラスタやミーティングルーム、コピースペースがあります。前者はすぐ埋まってしまう傾向がありますので、クラスタの場所をできる限り多く探し出しておきましょう。パソコンの処理速やプリンタの質は各クラスタごとに違いますので、性能のいいところを探し出しておくと快適です。ミーティングルームは30分か1時間の予約制になっています。セミナーの発表をしたり試験勉強を共同で行ったりする際に便利ですので、借り方を一度聞いておくといいでしょう。コピーはプリペイドカードを買う方式が多いようです。それなりの台数が揃っているはずですが、故障も多く、また混雑するので、本を借りて他の場所でコピーするのがいいかもしれません。この国では本の値段が高いので、コピーは必須です。


図書館に本がない場合でも、他所にあるのが分かれば、そこから取り寄せることもできます。ただ時間がかかったり有料だったりするのでご注意ください。


電子図書館ですが、この国では論文のオンライン化、検索可能なデータベース化が進んでおり、大変便利です。オンラインで購読したり検索したりするためにはAthensというものに登録してアカウントを得ることが必要ですが、大学のパソコンからなら自由に利用できますし、個人のパソコンからでも、図書館のウェブサイトへのログイン等により利用できるようになっています。利用法についてはこれも図書館が説明会を開くはずですので、逃さずに出席して情報を得てください。


利用法ですが、データベースで検索→論文の掲載紙のウェブサイトにアクセス→該当する論文をダウンロード、という流れが多いと思われるので、それに沿って一例をご紹介します。


まず検索ですが、大学や学術団体が、それぞれの特定の分野で検索エンジンを作り、サービスを供給しているので、それを利用します。例えば社会科学なら、ケンブリッジ大学の「Cambridge Social Abstract(CSA)」やユネスコの「International Bibliography of Social Science(IBSS)」が便利です。これらの検索ページに、図書館のサイトのElectronic Resourcesのページ等からアクセスします。キーワード検索であれば、検索語のところにカギとなる単語を入れて検索します。件数が多すぎるようなら条件を絞っていきます。少なすぎるようなら同義語を含めて検索しますが、検索対象が厳密だったりするので、「?」や「*」などのワイルドカードを使ってもいいかもしれません。例えば、道路にあるスピードカメラについて書かれた論文を検索する場合、ある検索エンジンでは、検索語を「speed*」とすると「speed」のほかに「speeding」等を含めることができ、また「camera?」とすると「camera」と「cameras」を検索対象にすることができました。そのようなadvanced searchの方法は、先述の説明会でも説明があると思いますし、また検索エンジンのヘルプページを見てもいいでしょう。便利ですのでぜひ一度見てみてください。


検索して論文がいくつか出てきたら、まずはそのタイトルと概要(Abstract)を見て、自分が本当に探したいものかをチェックします。先述のスピードカメラの例だと、論文が対象としているものが、車のナンバー撮影するものではなく、スポーツ選手のフォームを撮影するような高速度カメラだったりします。そういったものは自分で概要を読んだりして落としていくしかありません。自分が目当てとしている内容を書いている論文は意外に見つからないもので、検索して10本も出てくればラッキーかもしれません。あまり見つからないのは、むしろ検索対象を絞り込めている=あなたの検討が進んでいることを意味しますので、決して悪いことではありません。骨が折れる作業ですが地道にコツコツと進めてください。


脈のある論文が見つかったら、それが掲載されている雑誌の名前、発行年月、巻号、ページを元に、その雑誌のサイトを見つけ出してダウンロードします。図書館のサイトで雑誌のサイトを検索し、発行年月等を指定して見つけ出してください。ダウンロードはPDFが手軽でいいと思います。必要に応じてプリントアウトしておきましょう。検索エンジンによってはリンク先のクリックですぐ該当論文のダウンロードページに行けたりします。ダウンロードの際に雑誌のサイトでAthensのログインを求められるかもしれませんので、それは図書館のヘルプページ等で確認しておいてください。


このように、図書館の他に、電子図書館でのデータベースとダウンロードを活用すると、手元の文献を飛躍的に増やすことができます。論文のアイデアがさらに膨らみ、質も上がるというものです。執筆作業が格段に便利になります。修士論文のみならず、課題論文やセミナーの発表準備にも大変役に立ちますので、これらの技術はぜひ早めに身につけてください。



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帰国しました


おかげさまでほぼ予定通り、日本に帰国しました。仕事もすぐ始まり、少しずつ留学前の生活に戻っています。家のネット接続も終わりました。イギリスと違って滞りなく進み、また速度も速くて快適です(参照:イギリスのインターネット事情)。じわじわと日本を満喫し始めています。やはり居酒屋は最高です。お寿司もネタが多くて安くておいしいし。焼き肉もユッケもおいしかった。夏休みは混みそうですが、機会を見つけて温泉にも行きたいです。


勉強ですが、修士論文の提出期限は9月3日なので、それまでに送付して提出し、選考を通れば、一応学位がきます。イギリスの学生は授業や試験が終わったらすぐ実家に帰るのが常なようで、そういった遠隔提出はそう珍しくないようです。


リーズの大学周辺の寮や学生向け住宅では、6月上旬の時点でかなり人口が減り、道のあちこちには、家財道具が無造作に捨てられてできた山が点在していました。市内には市民向けの巨大なゴミ捨て場がいくつもあるのですが、不要なものは後先考えずに投げ捨てていくのがイギリスのマナーであるようです。


イギリスでの生活をすべて引き払うのはかなり大変でしたが何とかなりました(なっているはずです。)。電気や水道の支払いも、ちょっと難儀しましたがたぶん大丈夫です。


ブログですが、ネットがつながったので、また少しずつ書き始めたいとおもいます。引越しの準備・手続きのコツや、観光の記録、チープフライト、イギリス人論などを書けたらいいなと思っています。



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カスタマーサービス電話のワナ


イギリスでカスタマーサービスの電話に掛けるときは、心構えや予め用心すべきことなどがいろいろあります。正直言ってカスタマーサービスには何も期待しない方がいいです。今日はイギリスでのカスタマーサービス電話での体験についてお話しします。


以下のお話は、ADSLプロバイダへの問い合わせを中心に、郵便、配達会社等のいくつかのカスタマー電話に掛けたときのやりとりから抜粋したものです。この国の顧客サービスが大変悪いことをよく物語っていると思います(参照:配達はひどい


・待たされる
 ほとんどの商品やサービスには、customer serviceやconsumer relationsといったような、いわゆるお問い合わせ電話番号が設定されています。ウェブサイトにも、最新の値段はここに電話して聞け、というような形で電話番号が書いてあったりします。そのような番号に掛けると、まずたいていの場合、すぐにはつながりません。自動音声で「Thank you for calling. We will connect you to the operator available, as soon as we can.」などと言われて待たされます。待つ時間も長く、30分を超えることもざらです。待たされている間も、「Thank you for your patience.」などと調子のいいことを自動音声に言われ続けるだけです。オペレーターは一人だけなのではないかと思えるくらい待たされます。カスタマーサービス電話の意味がないように思えます。


・通話料を取られ続ける
 さらに腹立たしいのは、その待たされている間も、電話料金がかかることです。「Thank you for calling」と言われた時点から、通話料金が課金されます。電話番号のうち、0800で始まるものは通話料無料で、0870で始まるものは、イギリスのどこから掛けても市内通話の料金しかかからない仕組みのものです。0800のものならいいのですが、そうでない場合は、たとえ市内通話の料金しかかからなくても、30分もすればかなりの額になってしまいます。質の悪い商品やサービスのおかげでつまらない思いをし、さらに電話料金まで失うのでは、まさに泣きっ面に蜂です。盗人に追い銭、とまでも言えるかもしれません(電話料金を受け取るのは相手の会社ではありませんが)。


・オペレーターの権限がなさすぎる
 待たされてやっとオペレーターにつながっても、その人のできることが少なくて、回答が得られるまで日数がかかったり別の部署に回されたりすることがあります。ADSLの接続開始が遅れたときの問い合わせでは、オペレーターは、技術者にメールで問い合わせをするから、5日後にまたこの番号に電話しろ、と言われました。オペレーター自身に調べる権限がないのだそうで、それしかできない、と言うのです。オペレーターはただ話を聞くだけの人のようです。


・内部手続きに時間がかかる
 直前の例でいみじくも表れていますが、調べるのに5日かかる、と言われました。自分の接続状況を調べるのになぜ5日もかかるのか全く不明です。技術者はかなりゆっくりしか作業しないようですし、顧客より技術者の方を大事に扱っているようです。イギリスでは基本的に土日は何も作業が進まないので、この場合、5日後ということは要するに来週、ということです。状況を教えてほしい、という要望ですら1週間かかるわけです。また、郵便の再配達では、その小包が引き取りセンターに届くまで72時間かかる、とされていて、電話口でもその旨何度も言われました。配達できなかった郵便物を配達人から回収し、引き取りセンターに届ける、という作業に3日かかる、ということになります。


・たらい回しする
 オペレーターや技術者達が各自設定している”自分の仕事の範囲”は、かなり厳格で狭いようです。そして自分の分を超えるようなことは一切してくれません。問い合わせセリフの中に自分の仕事には関係なさそうな単語が少しでも入ると、他の部署に回してすぐ自分の手から離そうとします。ADSL接続の件では度々カスタマーサービスに電話しましたが、第一声で「つながらない」と言うと、オペレーターは「技術系の相談担当に掛けろ。番号は○○××だ」とすぐ言ってきます。なので、電話の第一声では「自分へのサービス提供の状態をチェックしてほしい」と言わなければなりませんでした。オペレーターのみならず技術者たちも皆(イギリス人全員がそうなのかもしれませんが)、自分の仕事を減らすことしか考えていないので、一生懸命他の人に回そうとします。


・逆切れする
 カスタマーサービスに電話してよく言われるのが「自分にはその権限がない」、もっと正確に書くと「I can’t do it」です。それに対してなぜできないのかと聞くと、相手は、そうなっているのだから仕方がない、できないものはできない、別の担当に電話しろ、と逆切れ気味に言ってきます。郵便も配達も、他のものもみなそうでした。文句があるなら○○××に電話しろ、と捨て台詞を言われたこともあります。


・少しでも声が大きくなると「切るぞ」と威嚇する
 電話の相手は逆切れするくせに、こちらはあまり声を大きくできません。声がちょっと大きくなっただけで、相手は「お前がそれ以上大きな声を出すならこちらは電話を切らなければならない」とか「私を脅すなら警察に通報する」と威嚇してきます。自分は大きな声でまくし立てたくせに、人が少しでも声を大きくするとすぐそのような威嚇を出してきます。自分のことは棚に上げて、とますます怒り心頭です。


要するにイギリスのカスタマーサービスでは、完全に向こうのペースなわけです。顧客の事情など全く関知せず、来てしまった仕事にしょうがなく対応している、というような応対をされます。イギリスで働いたことのある人のブログで、イギリスの店員は、商品を「売ってやっている」、サービスを「してやっている」と考えている、という話を見たことがありますが、まさにその通りだと思います。待たせようと日数がかかろうと、悪いとは決して思っていない風です。


このような適当な扱いを受けることが本当に多いので、カスタマーサービスははっきり言ってただのポーズに過ぎないのでは、と思っています。法規制がどうなっているのか詳細は分かりませんが、番号を一つ設定して、オペレーターを一人つけておけば、そのような設置規制を満たしていることになる、というわけです。カスタマーサービスを設置してあげているだけありがたいと思え、ということなのでしょう。この国では日本と明らかにルールが違う、ということがよく分かります。サービスのいい日本が本当に恋しいです。このような国の通貨が世界一(?)強い、というのは全く信じられません。



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ソールズベリと巨石遺跡

MatchofTheDay2007-06-24



ドライブ旅行の3日目・最終日はソールズベリ(Salisbury)の近くをうろうろして、ストーンヘンジ、ソールズベリ大聖堂、オールド・セーラム、エーヴベリーを見ました。今日はソールズベリ近辺の観光についてお話しします。


まずはストーンヘンジ(Stone Henge)へ。幹線道路沿いにあり朝から大賑わいです。保護のためあまり近寄れませんがぐるりと一周見て歩けます。肉眼で見ると大きさがよく分かります。重機もないのによくこんな巨大なものを立てたものだ、と驚きです。石にはコケが付いていますが、海岸でしか生えない種類だそうでとても珍しく、ストーンヘンジの不思議の一つだとか。入り口で無料のガイドレコーダーが配られるので、観光客はみな耳に当てて真剣に聞いています。





続いてソールズベリ市内に入り、大聖堂へ。高い尖塔が目印です。塔へはツアーに参加すると登れます。予約制ですので当日ついたらお早めにご予約を。下の2枚目の写真、並んでいる柱のうち一番長い黒い4本が内側に湾曲しているのがわかるでしょうか。後から乗せた塔の重さでたわんだのだそうです。三百段を超える階段を上れば素晴らしい眺めが待っています。街や周囲の丘が一望できて素晴らしいです。ツアーでは休憩を挟みながら、ガイドが歴史や工程についてお話ししてくれます。ガイドのBaileyさんありがとうございました。





翌日はまずオールドセーラム(Old Sarum)へ。市街地の北端部にあります。古くからの要塞で、17世紀には放棄されて今は遺跡になっています。丘の上に溝を掘り、その土を盛り上げて堀と高台を作り、その中に城壁や兵舎などが作られています。堀の外には教会の遺構が残っています。展示や説明があまり親切でないのが難点ですが、雰囲気や景色は十分楽しめます。





そしてエーヴベリー(Avebury)へ。市街地から25マイルほど北へ車を走らせます。大麦畑にいきなり駐車場があり、車を止めて歩くと突然遺跡と町が見えてきます。ここはストーンサークルと町とが一体化していて、保存のために離れたところに駐車場があります。ここの列石の数・大きさ・保存具合はストーンヘンジに劣りますが、触れます。ここの良かったところは、実は町のほうでして、古いイギリスの町にある建物が一通り楽しめるような感じです。教会は11世紀から続くもので、小さな窓やアーチに古さが感じられます。領主の館も決まった曜日のガイドツアーで中を見学できるようです。行ったのは日曜日でしたが、ツアーはあったようでした。その他にも、古い大きなパブ(なぜかバイク野郎の溜まり場になっている)、古い家並みがあって、1日十分楽しめると思います。








ソールズベリとその近郊で丸2日使いましたが、それに十分値する中身の濃さで、とても楽しかったです。ロンドンから1泊又は2泊でドライブ旅行するには最適だと思います。特にエーヴベリーはお勧めです。



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スタジアム観戦のコツ

MatchofTheDay2007-06-19



サッカーやラグビー等、土着性の強い(?)スポーツの応援は必ずどちらか一方のチームへの熱烈な応援であって、中立の立場での観戦などというものはこの国には存在しません。その他にも、いくつか注意した方がいいことがあります。今日はスタジアムでのスポーツ観戦のコツについてお話しします。


まず観客たちの観戦の心構えですが、冒頭にあるとおり、一方のチームへの圧倒的な支持と、相手チームへの敵意とで成り立っています。なので観戦に行かれる際は、ホームチームのみに声援を送り、決して相手チームに声援を送ってはなりません。仮に相手チームにいいプレーがあっても賞賛してはなりません。そうしないと、あなたの身に危険が及びかねません。ファンたちは、自分のチームのプレーが少しでもいいと大賞賛し、逆に相手チームの選手が反則をしたような場合は、容赦なく、時に行きすぎと思えるほどにも、ブーイングを浴びせます。あたかも罵り言葉を言いたいがためにスタジアムに来ているかのごとくに、試合中ずっと怒鳴ったりブーイングをしている人も時折見かけます。なお、サッカーではローカルチームびいきの傾向が特に強いようなので、着ていく服や持ち物の色までも気をつけたほうがいいかもしれません。また、ゴール裏の席は熱心なファン(フーリガン?)がよく集まるので、そういった席はたとえ安くても避けたほうが無難です。


持ち物ですが、カメラ類、食べ物は大丈夫ですが、水類は規制の対象となる可能性があります。缶だけダメ、ペットボトルもダメ、どちらもOK、と、スタジアムによっていろいろパターンがあるようで、一概には言えませんが、スタジアム入場後にも水は買えますので、持って行かない方が無難かもしれません。なお、秋から春のスタジアムはかなり寒いですので、暖かい服装をして、毛布や携帯カイロ等を持参するといいと思います。


スタジアムのスタンドの裏には売店があり、ビール、軽食、スナック菓子、ジュース、水等を売っています。飲食物は席にも持ち込めますが、サッカーのみ、ビールはスタンドへは持ち込めません。サッカー試合中のスタンドでの飲酒を禁じた法律があるそうで、試合中でなくとも席には持って入れません。ちなみにラグビーはスタンドで試合中にもがぶがぶ飲んでいます。


スタジアムには数万人の人が押し寄せますので、早めに行くことをお勧めします。自分は試合開始1時間〜1時間半前に着くようにしています。電車やバスは混雑しますし、渋滞等で遅れる可能性もあり、さらに最寄の駅からかなり歩かされることも多いからです。関連グッズ等を売るオフィシャルショップは早めから開きますし、選手の乗ったバスの到着を迎えたり、盛り上がっているサポーターたちを見たり、記念撮影をしたり、と、早く行ってもあまり退屈しません。また、まれに、試合前にスタジアム近辺で無料で配られるものもあったりします。07年4月のサッカーFAカップ準決勝では、カップのレプリカ風船がスポンサー企業から配られました。


オフィシャルショップでは、選手のユニフォーム(レプリカキット(replica kit))の他、チームのロゴが入った様々なグッズが売られています。ベビー用品や水着まであったりします。ユニフォームは、後からアイロンプリントの背番号・名前をつけてもらうことができます。試合当日は受け付けていなかったり、試合後にしか受け取れなかったりしますので、もし着て試合を観戦したい場合には、インターネット等で注文して予め受け取っておいた方がいいです。なお、オフィシャルショップは試合後もしばらくは開いていますので、混雑を避けるべくしばらく時間をつぶしてもいいかもしれませんが、人の波が消えてしまった後だと帰り道が分かりにくかったりしますので良し悪しです。自分は一度迷ってしまって苦労したことがあります。また、試合のプログラム(出場選手リスト等が書かれている)は試合後には売切れてしまっていることが多いので、もし欲しい場合は、売っている人を見かけたら即座に買いましょう。


試合当日、スタジアムの周囲にはハンバーガー等の屋台が立ち並び、活気に溢れます。スタジアムへは、荷物とチケットのチェックを受けた上で、狭い入口のバーを押して入ります。階段を登っていき、席のあるスタンドの近くの売店で飲み物を買って入場です。ちなみに売店の近くにはブックメーカー、いわゆる賭け屋の出張窓口があって、マークシートと真剣ににらめっこしている人が何人もいます。それを尻目にスタンドに入り、試合開始を待ちます。


ハーフタイムには売店、トイレとも大混雑します。また、スタンドは禁煙なようで、スタンド裏の通路はタバコをふかす人でごった返します。かなりのカオスなので、もし用事がある人は試合終了前から先駆けて行った方がいいと思います。上の写真は、先述のFAカップ準決勝チェルシーブラックバーンの試合の、ハーフタイムのスタンドの様子です。スタジアムはマンチェスターオールド・トラフォード(Old Trafford)です。


試合時間中は立ったり座ったりを繰り返します。観戦中は基本的に座っていますが、チャンスが来るとみな一斉に立ち上がります。そして点が入ると「イェー」という地鳴りのような声が上がり、しばらく歓声が続きます。点が入らないと「オーゥ」というため息とともにそそくさと席に座ります。その席に座る動作が早くて面白いです。試合中は応援歌や名前のコールが頻繁に自然発生しますが、観客はよく知っていて同調するので、けっこう大きな声になります。試合中になんとなく覚えられるので、気が向いたら声を張り上げてみましょう。


試合が終わるとみなそそくさと帰ります。基本的に早い者勝ちですが、意外に譲り合いの精神が発揮され、出入り口の席に近い列の人から順番に出て行くことになります。ただ、スタジアムを出るまで、また出てからもずっと行列になるため、早く帰る必要がある場合には、試合終了10分前のような、それなりに早い時間に出る必要があります。


帰りは数万人が一斉に帰るため、来たときよりも混雑の度合いは大きいです。電車等の切符は予め買っておく方がいいです。ただ、ごくまれに、行きとは別のルートで楽なものもあり(タクシーを使う、等)、そのあたりの判断は難しいところです。また、大きな人の流れや行列があっても、自分が意図しているものとは別の手段を使うものだったりもしますのでご注意を。列に入ったら観光バスに乗る列だった、という経験があります。


試合を精密に観戦するのはテレビの方が良かったりもしますが、生観戦の良さも捨てがたいです。実際にスタジアムに足を運んでみると、得がたい経験をすることができます。チケットはそれなりの値段がしますが、イギリス人の盛り上がり方を経験するという意味でも貴重な機会ですし、機会がありましたらぜひ一度行ってみてください。



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セミナー対策


セミナー(seminor)はイギリスの大学院の授業の半分を占める大事なものです。乗り切り方にもコツがあるように思います。今日はセミナーについてお話しします。


先日お話ししたとおり(大学院の授業)、セミナーは1つの科目につき、週1回1時間から1時間半行われるものが多いです。各回のテーマは、前回またはその回の講義の内容についてさらに掘り下げるようなものを、教官が指定します。初回の授業で配られる冊子(syllabusとかhandbookと言われます。上記リンク参照)に予め書いてあることが多いです。


イギリスのセミナーも、日本のゼミのような形で進められます。各テーマについて、1人又は複数で発表を行い、それについて残りの時間で議論する、というような流れで進められます。発表は15〜30分程度、レジュメやパワーポイントを用いて行われます。内容は、テーマに沿って、参考文献を基に議論を比較検討したり、具体例を盛り込んだりします。どのような内容にするか、どう進めるかは、基本的に生徒に任されます。同じテーマで発表を行う生徒のグループで議論し、進め方や内容、分担を決めます。どんな生徒と同じグループになるかによって、これらは全然違ってきます。できればまじめで優秀な生徒と同じグループに入りたいものです。これが一つめの(一番重要な?)コツと言えるかもしれません。


個人での作業の進め方のコツですが、まさに準備が全てです。パワーポイントをしっかり作り、発言メモもばっちり作成しましょう。発表を無事にこなすためには、原稿をしっかり作り、当日は一気に読み上げるだけにしておくのが無難です。柔軟さがなくなったり、下を向きっぱなしになって内容の伝達(deliveryと言われます)が悪くなる、というような批判もありますが、正直言ってこれが一番楽で、内容を正確に伝える一番の方法だと思います。セミナーでの発表はイギリス人生徒にとってもかなりの恐怖だそうなのでご安心を。


準備すべきものの分量は思ったよりも少なくてよく、20分の発表なら、パワーポイント8枚以下、原稿は1枚40行のA4用紙2〜3枚でしょうか。説明は自分で思っているより時間がかかるので、こりゃ少ないかな、と思えるくらいの分量で十分です。本番前に一度予行演習しておくと安心です。計時しながら、予定しているのと同じように、パワーポイントを進め、原稿を読んでみてください。時間がちょっと余るくらいでちょうどいいです。


内容の伝達や受けを良くするコツですが、ゆっくり読むことと、具体例を多く盛り込むことです。読み上げは、自分で「ちょっとゆっくりすぎるかな」と思うようなスピードで大丈夫です。一般に日本人は発音が良くないですが、意識して遅くすればちゃんと聞き取ってもらえるようです。


具体例とは、例えば社会政策で言えば、年金について語るなら、先進国での制度を簡単に説明するようなことです。スウェーデンではこうなっていて、199x年に制度改正があってこうなって、一方フランスでは…、等々。例として日本のことを入れると、また効果が上がります。遠いことや言葉が難しいこともあって、ヨーロッパの人間にとって日本ははまだまだ未知の世界のようです。その学問分野に通暁しているはずの教官ですらも、日本のことはあまり(ほとんど?)知らなかったりします。自分がセミナーで日本の年金制度について説明したときは、教官も含めみんなカリカリとメモをとったので、少しうれしかったです。


自分の言っている内容がいまいち理解してもらえていないな、と感じたときや、原稿がこれだとちょっと分かりにくいかな、と思ったときは、同じ内容を少し言い換えて繰り返すのも手です。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、という作戦を取るわけです。また、当日は、パワーポイントを印刷したものを人数分作って配るのも効果的です。自分の発音の悪さをカバーできますし、またパワーポイント等の機器が壊れているようなケースも多いからです。



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