寮生活での経験


自分が大学の寮に住んで共同生活をしたのはたった3週間で、しかもそれは学期期間中ではありませんでしたが、その短い期間に実にいろいろなことを学べたと思っています。自分にとっては、寮に住むという選択肢を消してもらえたわけで、ある意味大変ありがたい経験だったと思っています。自分の経験は特異なものかもしれませんで、最終的な判断を下すのは皆さん自身ですが、今日は経験者の声をぜひお聞きください。


自分が寮に住んだのはロンドンにいた時期の、9月1週目途中から4週目途中まででした。その期間は、ちょうど大学の授業開始前・大学院の修士論文期限の直後という、一年で一番リラックスした時期でした。自分が住んだのは個室にはシャワーとバスがセットになった部屋が付いていて、キッチンのみを共有する形式の寮でした。冷蔵庫は個人の部屋にもあるものの、かなり小さいため、みなキッチンの大き目のものに棚を分けて入れられていました。それから、寮の費用は年間分を2回に分けて前納し、基本的に返金されないシステムでした。そんな寮での生活で何が起きたかを列挙していきます。


1. 買ってきたものが食われる
一番初めに被害に遭ったのは牛乳でした。2パイント(pint。これで1リットル強)入りのものを買ってきて少し飲み、キッチンの冷蔵庫に入れておいたら、翌日の午後同じくらいの時間に見ると半分以下になっていました。他にも、同じタイミングで入れた小さいヨーグルトやチーズなどが軒並み食われていましたが、一番腹が立ったのは、クロワッサンのカスタードサンド(この国ではなぜかアーモンド・クロワッサンと呼ばれます)4個入りが、自分は1個しか食べていないのに翌日に1個しか残っていなかった、すなわち2個食われたことです。


こういったことはよくあるようで、日本人学生の友人たちからも、被害に遭ったという話をしばしば聞きました。盗み食いは、自分がやったという証拠が残らず、現場を押さえないと犯行を証明しにくい、というたちの悪い行為です。人のものを了承もなく食べるなんて最悪です。見つからなければ何をやってもいい、とでも思っているのでしょうか。俺が見つけたら何でも俺のもの、なのでしょうか。その冷蔵庫は自分の家の冷蔵庫だと思っているのでしょうか。この国の大学生・大学院生の品行なんてそんなものか、と怒り、心底呆れました。


余談ですが、友人の旦那さんがあみ出した必殺の牛乳防御ワザは、緑に着色しておくことだそうです。確かに飲む気がしなさそうですが、そこまでしないと自分の食べ物を守れないなんて、本当に悲しいことです。また、盗み食いにも傾向があるようで、オーガニック(organic。低農薬農法等で生産された、いわゆる”体にいい”食べ物)の食材が一番に食われます。牛乳もオーガニックのものから先になくなります。未開封のものは食べられたことがありません。さすがに気が引けるのでしょうか。何を書いても効果がなく、名前や、Don’t eat等の警告、さらにはドクロマークを書いても無駄でした。


2. 皿やフライパンを洗わない
基本的に流しは洗い物で溢れています。なぜなら彼らは自分が使っても洗わないからです。次に使いたい人が洗って使え、というルールのようです。おかげでどれも汚れがこびりついています。自分が使って洗って片付けておいても、次の日に見ると使われて流しに放置されていました。毎回とまではいかなかったものの、2日すれば必ず放置されている洗い物を見かける始末でした。洗う自分が損するだけでばかばかしい、と思いつつも、でも自分で使ったものを放置するなんてできないので、やむなく見かけるたびに洗って片付けていましたが、一向に状況が改善しないので3週間で疲れてしまいました。同じキッチンを使っていると思われる人を見つけたときには「使ったら洗うようにしよう」とたびたび言っていたものの、「ああそうだね」とあたかも他人事のような返事ばかりでした。


3. 自分のゴミを捨てない・拭かない
自分が出したゴミはそのまま放置するようで、翌朝見ると前の日に何を食べたかが(パスタやらピザやらステーキやら)がそのまま分かるほどです。ゴミ箱に捨てるなんて簡単なのですが、それすらもあまりしない人がいるようです。また、キッチン周りやテーブルなどに汁をこぼしても拭かないようで、汚れが乾いてこびりついていることがしばしばありました。人に見つからなければ何をしてもいい(何もしなくていい)、というのがルールのようです。


4. 外の音が筒抜け
自分が当たった部屋は通りに面していました。その通りは片側一車線の道路でしたが、車通りが多く、それが一晩中聞こえました。そもそもロンドンは眠らない街で、夜中でもたくさん車が通ります。石造りの建物が多いからか、車の音が反響するようで、よく響きます。それから、窓や壁には防音と言うコンセプトは無いようで(参照:家の造り)、よほどいい家でない限り外の音は筒抜けです。そのダブルパンチで、部屋では車の通り抜ける音が一晩中聞こえました。あまり眠れない日々が3週間ずっと続き、疲労困憊でした。部屋を変えてくれ、と何度も要求し、寮長にまで交渉したものの、「すぐ慣れる」「気にしすぎた」「公正な抽選だからしょうがない」「自分には変える権限がない」「ぐっすり眠るための4か条を教えてやる」などという適当な返事ばかりで、全く取り合ってもらえませんでした。


5. 部屋のシャワーがヌルヌルする
前に住んでいた人々がよく掃除しなかったためか、シャワー室の床や壁のヌルヌルが取れず、また臭いも何度掃除してもくさいままでした。月に1度は清掃スタッフがしっかり掃除することになっていましたが、それの効果があってもその程度だったのか、とてもきれいとは言えない状況でした。


このような経験から、自分はおよそ寮では生活できないな、と知りました。ここで暮らすとなると、選択肢は、我慢する、周囲に働きかける、自分も開き直る、の3通りしか思いつきませんで、どれも莫大なエネルギーを必要とし、ストレスもかなり高くなりそうだ、と考えたからです。日常生活でのささいなストレスは、じわじわ溜まって確実に影響を及ぼしてくるものですし、また周囲を変えるなんておよそ無理、さらには、開き直ると日本に帰って社会生活が送れなさそうです。勉強を優先するのであれば余計なストレスは極力抑えなければなりません。寮生活で得られそうなものはいくつもありますが(英会話の上達、異文化交流等)、リスクの方を重く考え、自分は寮生活を断念しました。


自分の経験がすべてに当てはまるとは言いません。寮に住んでいた友人はたくさんおり、特に不満はなかったという人、いいメンバーに恵まれてとても楽しかったという人ももちろんいます。ですがそれは、ちょうど箱を開けてみないと中身が分からないのと同じように、一緒に生活するまで分からないものです。自分はそこで失敗するリスクを避けたかったというわけです。その判断には、寮費は中途返金されない、という仕組みも影響を与えていたとは思いますが、1〜4の経験が決め手になりました。自分の判断は間違っていなかったと思っていますが、欲を言うなら、自分もいいメンバーに囲まれて寮生活を送ってみたかったです。寮に住むにあたってはお試し期間が欲しいところです。



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悪い大家の見抜き方


イギリスでの住居探しにおいては、良い大家を探すということもかなりの部分を占めています。今日は良い大家・悪い大家の見分け方などについてお話しします。


大家はランドロード(landlord)と呼ばれます。賃貸に出される家は、個人所有であったり、不動産会社所有だったりします。日本でもそうかもしれませんが、大家の中にはずさんだったりいい加減だったり悪質だったりするものもいます。どんなに部屋が良くても、大家がひどいと、決して快適には過ごせません。例えば、ボイラーや洗濯機が故障した場合でも、良い大家であればすぐ対応してくれますが、そうでない場合はかなり長い間放置されてしまいます(そしてそれに不満を言うと逆ギレされます。)。この国では設備の故障が頻繁に起こるので、せめて修理の手配くらいはきちんとしてほしいところですが、それをしようとしない大家は確実にいます。そんな質の悪い大家をいかに見抜くか、というポイントですが、やる気と神経質度を見抜くこと、と考えています。


大家がなぜその部屋(家)を貸すのか、ということが分かると、大家のやる気・態度が見えてきます。以下よくあるケースを列挙します。


o不動産投資や賃貸業
  ここ10年ほどは、イギリス、特にロンドンの地価は上昇し続けているそうで、それに乗って不動産投資をしているケースや、部屋や家をいくつか所有し賃貸することを生業にしているケースが考えられます。いずれも大家のやる気はありそうで、故障などにも早く対応してくれそうですが、神経質度も高く、部屋を汚した場合等には厳しくとがめられるかもしれません。


oまた貸し
  カウンシル(council。市区町村のようなもの)から供給された家をまた貸ししているケース。自分たちは郊外のもっと安いところに住んで、賃貸料で生計を立てているもの。家自体の立地条件や設備がそれほど良くないケースに多く、やる気以前の問題として、故障などへの対応はあまり良くないと聞きます。


o税金対策や趣味
  賃貸で生計を立てているわけではなく、節税や趣味(広い家が不要になったから、暇なので、等々)で賃貸をしているケース。立地や設備の割に家賃が安い場合が多く、大家はそれほど神経質ではない傾向があります。


下見時の大家の態度からも、いろいろ推測できそうです。身なりがきちんとしているか、装飾品や車が高いか安いか、電話やメールへの対応がきちんとしているか、下見時に時間通り来るか、質問にきちんと答えてくれるか、貸す部屋のことを熟知しているか、といったようなことから、大家のやる気や神経質度(きちっとしている度?)が分かります。


それから、下見時の部屋・家の汚れ具合を見ます。あまりに汚い場合は、前の住人はおろか大家もずさんな管理をしている、ということになりますので、注意が必要かもしれません。一方、前の住人の退去から日が経っているのにきれいな場合は、大家がまめに掃除している可能性があります(前の住人が徹底的に掃除させられた、という可能性もありますが)。


また、大家がどこに住んでいるか、ということもチェックに値します。大家が同じ建物に住んでいる場合、故障への対応や荷物の預かり等で有利ですが、大家の目が近くにあるため、友人を無断で泊めたり、夜騒いだり、といったことはしにくくなります。


なお、不動産屋が下見の案内等をするものの、彼らが請け負っているのは仲介だけ、というケースもよくあります。この場合、契約とそれ以降のやり取り(故障時の対応等)は大家との間で直接行うことになります。大家の良し悪しが分からないまま契約をしてしまうことになりかねないので、できれば大家に一度会えないか相談してみましょう。


実際に自分で住まい候補を探し、何人かの大家に会ってみると、大まかな傾向が分かると思います。この国の人は見た目と中身が一致していることが多いように思いますので、そういった外見的なことも手がかりにして、いい大家を見つけ出してください。幸運をお祈りしております。



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硬水での生活

MatchofTheDay2007-06-06



イギリスでは硬水の地域がそれなりにあり、日本での暮らしとちょっと違うことが起きたりします。今日は硬水が生活にもたらす影響についてお話しします。


まず飲んでみて味が違います。イギリスの水道水はそのままでも飲めますが(無理に飲めとはいいません)、ブリタなどの浄水器に通しても硬水のままです。日本だと一部地域を除いて軟水なので(沖縄は硬水だとか)、あまり飲み慣れていない味がします。石灰分が多くてのどをなかなか通りにくい感じです。エビアンは硬水なのであんな感じです。コーヒーや紅茶の味も日本とちょっと違います。ロンドンで飲む紅茶はおいしい、などという話を聞いたことがありますが、それは硬水で出すからだと思います。実はお茶を入れるには軟水が適している、という説もあります。


水の質は茹で麺の味にも影響します。硬水でパスタを茹でるとおいしいです。ロンドンではブリタに通しただけの水道水でパスタを茹でて食べていましたが、それだけで十分おいしく、パスタソースは要らないんじゃないか、と思えるくらいでした。日本でもエビアンで茹でるとそんな味わいが少し出るかもしれません。一方、日本製のうどん等の乾麺は、日本ほどおいしくはならなかったです。軟水で打った麺は軟水で、硬水で打った麺は硬水で茹でた方がおいしい、という話を聞いたことがあります。


硬水はカルシウムが多いそうで、そのせいでライムスケール(lime scale)と呼ばれる白い石のようなものがたくさん付きます。やかんや湯沸かしケトル、蛇口はおろか、お風呂の浴槽や洗面所、シャワーヘッド、果ては洗濯機のドラムにまで付きます。安いホテルで部屋のケトルの中を見ると、たまに白褐色の石が成長して鍾乳洞のようになっていてびっくりします。熱効率が悪くなったりカビの元になったりしますので、お酢モルトビネガー(malt vinegar))や専用の落とし剤で定期的に落としましょう。


水の質が違うと、いわゆる石鹸系の使い勝手が変わり、一般に泡立ちが悪くなります。洗浄能力も落ちるようで、洗濯用洗剤の箱には、硬水・軟水の地域ごとの使用量が書かれていて、硬水の方は1.5倍多くするようにとされています。シャンプーやボディソープは泡立ちが悪くなって、すすいでも体に石鹸が残っている感じがします。シャワーで流している間もヌルヌル感がし、それが体を拭くくらいまで続きます。髪やお肌のことを考えたら軟水の方がいいらしく、軟水変換シャワーヘッドなるものの広告がよく日本語の情報誌に出ていたりします。自分はそこまでしなくてもいいやと思い特に何もしていませんが、しばらくすれば慣れます。ただボディソープだけはこちらのものが合わず、日本のものをずっと使っています。どうもこちらのものは泡立ちが強すぎてすすぎが大変な気がするので、日本製の弱酸性のものを、人に頼んで買ってもらってまでして使っています。


上の画像はイングランド内の硬水・軟水の分布マップです。水道会社の供給エリアごとに色分けされています。ちなみに自分は今リーズですが、地図で見るとおり軟水エリアで、ロンドンとは水の質が全く違います。やはり慣れた軟水の方がいいように思います。


余談ですが、ミネラルウォーターを買う際には銘柄に注意した方がいいかもしれません。銘柄を選ぶ必要がある、と言うとちょっと奇異かもしれませんが、硬水エリアだと売っているミネラルウォーターも硬水だったりします。ロンドンでは硬水のものが多く売られていた気がします。自分は軟水がいいので、スコットランド産(例えばHighland Spring Water)のものや日本でもおなじみのボルヴィックを買うようにしています。


Picture Source: " A Consumers' Guide to Water Softeners " - copyright British Water


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鉄道・コーチのお得な使い方

MatchofTheDay2007-06-05



イギリスでは長距離バスのことをコーチ(coach)といいますが、これと鉄道との路線網はかなり発達しています。お値段もそこそこしますが、お得に乗る方法があります。それは片道割引切符の利用と割引カードの利用です。今日は長距離移動を安く上げる方法についてお話しします。


イギリスは鉄道発祥の国だそうで、そのおかげか鉄道網はかなり発達しています。昔は国営だったようですが、しばらく前に民営化し、現在は複数の民間企業が運営しています。各社競争をしていますが、遅れたり運休したり、工事で遅れたりということがしばしばです(日を改めてお話します)。運賃も値上げの一途で、なかなか高いです。例えば平日のロンドン〜リーズ間の往復で74.7ポンドします(1ポンド240円として1万8千円弱)。ちなみに片道は73.7ポンドもします。なお、距離は約200マイル(約320キロ)、時間にして2時間半の旅です。


このような高い値段を避ける一つ目のコツが、片道の割引切符です。例えばGNERという運営会社だと、saver singleという割引切符を発行していて、最も安い組み合わせだと、ロンドン〜リーズ間の往復で20ポンドで行けてしまいます。早い者勝ちでなくなっていきますので早めの購入をお勧めしますが、最も安いものでなくても、16ポンドや20ポンドなどのものは比較的遅くでも手に入りやすいです。ただこの切符は払い戻し(リファンドrefund)ができないのが難点です。


鉄道を安く利用するもう一つの方法が、上の写真のヤング・パーソンズ・レイルカード(Young Person’s Railcard)というものを入手することです。25歳以下、又は26歳以上でもフルタイムの学生なら誰でも購入できます。後者はmature studentと呼ばれます。入手方法ですが、駅で手に入る記入用紙に必要事項を記入し、パスポート等の証明となる書類と写真1枚とを持参して窓口に行き、20ポンド払うとその場で手に入れることができます。mature studentの場合は記入用紙と写真の裏に学校のはんこが必要ですが、生協又は所属する学部(school)の受付でもらえます。ヤング・パーソンズ・レイルカードを入手すると、割引切符以外の料金が約3分の2になります。先ほどの例だと、平日のロンドン〜リーズ間の往復が49.3ポンドになります。25ポンド強安くなるので、1回だけでカードの購入費用の元が取れることになります。上の写真のように2枚1組で、1年間有効です。


鉄道の他にコーチの路線網も発達しています。コーチは値段がかなり安くなります。ロンドン〜リーズ間の往復で21ポンド以下です。ただ、時間が鉄道の倍くらいかかり(4時間半くらい)、席も鉄道より若干狭いです。あと、席が前後左右で近いですし、車内も暗めなので、女性1人での旅はちょっと避けた方がいいかもしれません。そのような欠点はありますが、やはり安さは魅力です。また、2週間以上前などの早い時期だと、鉄道と同様に割引値段で切符が買えるようですし、ヤング・パーソンズ・コーチカードというものもあるようです。さらに、メガバス(Megabus)という格安コーチ会社もあり、1ポンドのチケットを目玉にしています。バスの車体が古かったりしますが、時間は大手のコーチ会社ナショナル・エキスプレス(National Express)とほぼ変わりません。


関連サイト

鉄道チケットのポータルサイトTraveline。ここで運営会社を探してそこのウェブサイトに行くと、より安い割引切符が見つかるかもしれません。
ttp://www.traveline.org.uk/index.htm
ヤング・パーソンズ・レイルカードのサイト
ttp://www.youngpersons-railcard.co.uk/
コーチ会社National Express
ttp://www.nationalexpress.com/
コーチ会社Megabus
ttp://www.megabus.com/uk/



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イギリス人の楽しみとは(Lose yourself)


イギリスの人々は「lose yourself」が大好きなようです。訳すなら「我を忘れて没入する」というところでしょうか。今日はイギリス人にとって楽しいこととはどのようなことか、について少し考えてみました。


先に抽象的な話をすると、上の日本語訳を補うなら、自分を見失うくらいに何かにふける、とか、まともな感覚を失う、といったことも挙げられると思います。以下具体例を。


1. 裏声で奇声を上げる(高い音で「ホー」と叫ぶような感じ)
この国の人は盛り上がったときはこれです。同意や応援を示すようです。これをすると気分が高揚するらしく、みなこれをしたくてしょうがないように見受けます。ロンドンの学校の生協(student union)が主催した歓迎のイベントで早くも知りました。学校にはミラーボールまでついているようなミニディスコ(?)があったのですが、そこに学生がぎっしり集まり、歓談して盛り上がっていましたが(ステージで何をしていたかは忘れました)、舞台で何か行われると、裏声の歓声がそこかしこで上がっていました。


2. 酒を飲んで酔う
イギリスの若い人は、毎週末必ず飲みに繰り出します。かなり飲むようで、へべれけになっている人を街中でもよく見かけます。上の階の住人(ロンドンでもリースでも)は、金曜と土曜の22時半くらいにガタガタと支度をして出て行き、3時頃に酔っ払った様子で大声でしゃべりながら帰ってきます。たまに家でも飲んで騒ぎ続けます。行き先はクラブだかパブだかバーだかわかりませんが、本当に毎週出ていきます。


3. 車を猛スピードで走らせる
先日お話したとおり(イギリス人の車の運転)、イギリス人は爆走が大好きです。寸暇を惜しんでみな爆走します。せっかち、というよりも、爆走を楽しんでいる、というふうに理解した方がしっくりきます。車の性能の評価目安は高速走行の性能だけですし。


4. サッカースタジアム等で歓喜の渦に包まれる
スポーツ観戦で他の観客と一体となって盛り上がるのが大好きです。サッカーでもラグビーでも、応援しているチームが得点すると「イエーーーーー」という大歓声がしばらく続きます。スタジアムが地響きを立てて揺れます。特にサッカーはすごいです。時折日本でもヨーロッパの試合が中継されますが、ゴール時に盛り上がっているのは一部の熱狂的なサポーターのみというわけではありません。応援している観客全てです。また、敵チームには容赦なくブーイングを浴びせます。ものすごい怒号や罵り言葉だったりしてびっくりします。four letter word(f wordとも。いわゆる汚い言葉に4文字の単語が多いことから名づけられたよう)も盛んに叫ばれます。そこまで言わなくても、と思うのですが、そういう言葉を言いたくてしょうがないようです。言った人は妙にすっきりした様子になっていたりします。


これらの他にもまだ類型はいくつかあるかもしれません。


どれも熱狂、興奮、気分の高揚などの感覚的な要素が中心です。パブ等の場で静寂より喧騒を好む傾向も、大きなくくりでこの中に含まれるかもしれません。イギリス人には、言葉や論理を重んじ、議論を好む、という傾向があると自分は今でも思っていますが、上記のような傾向もあるので、いまいちしっくりと理解できていません。静かな思考と熱狂とが、個人の中に「楽しみ」として併存する、それがイギリス人だ、ということなのでしょうか。



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ブライトン(Brighton)観光

MatchofTheDay2007-06-03



今日はブライトン(Brighton)に行ったときのことについてお話しします。


ブライトンはロンドンから南に1時間程度で着く海岸の街です。語学学校がたくさんあるそうで、その関係でも賑わっているそうですが、開放的な海岸に手軽に来られるということで、ロンドンの人達にシーリゾートとしても愛されているようです。


駅を少し離れて南に下っていくとすぐ海が見えます。砂利の浜が東西にずっと伸びていて、みなくつろでいます。あまり泳いでいる人がいないのは水がかなり冷たいからです。でも白人の子供は何人か浮き輪で入って遊んでいました。すごいです。水に入る代わりに、人々は寝そべったり本を読んだりと思い思いにくつろいでいます。日本だとパラソルが必携ですが、この国では誰もそんなものは広げず、日なたでのんびりしています。写真には撮れていませんが、何かにめがけて小石をひたすら投げている人が何人もいたのが不思議でした。





いくつかの写真に縞柄のデッキチェアが写っていますが、これらは有料です。適当に座っていると、料金徴収の人が来て、時間制又は1日いくらでお金を徴収されます。領収書をくれるので保管しておきましょう。1日3ポンドくらいだったと思います。ロンドン市内の公園でも無造作に並べられているのをよく見かけます。


自分もデッキチェアを借りて座り、しばらくボーっとしました。行ったのは一昨年の8月下旬。イギリス渡航から40日近くになり、少し余裕が出てくるとともに、ちょっとだけ日本が懐かしくなっていた時期でした。元々海が好きなので、久しぶりに打ち寄せる波の音を聞き、水平線を行く船を眺めることができて本当にうれしかったです。


堤防状の道路と浜との間には、パブやレストランがいくつかあり、大人たちは昼間っからビールを飲み、フィッシュアンドチップスやバーベキューを食べて盛り上がっていました。子供にはアイスクリームが人気なようでした。自分も食べましたがおいしかったです。食べ物系のお店のほかにもおみやげ屋や貝殻を売るお店、アクセサリーショップ等がありました。


ブライトンには大きな桟橋があります。船を係留したり横付けしたりするためのものではなく、歩道になっています。先のほうには遊園地や軽食の屋台等があります。入るのは無料です。眺めがいいので、ここから街を見たり海を見たりするととても気分がいいです。ただ、足元に隙間が多く(足がおちるほどではありませんが)あるので、海面からかなり高いこともあり、高所恐怖症の人にはちょっと怖いかもしれません。遊園地には簡単なアトラクションがいくつかあり、親子連れで賑わっていました。



かつてはもう一つ桟橋があり、火災に遭って使えなくなってしまったものが今も残されています。夕日がちょうど重なったときは幻想的できれいでした。



ブライトンは日が沈んでも楽しい街のようで、暗くなるに従ってライトがたくさん灯り始めます。桟橋の遊園地も美しいです(手ぶれはご容赦)。街にはパブやクラブなど若者の夜遊び施設が整っているのだとか。雰囲気が少しずつ変わってくるのを横目に駅に向かい、ロンドンに帰りました。




勉強の合間などにふと海が見たくなったら、ブライトンはお勧めです。ドーバーDover)もいいですが、そちらには城や遺跡等があるので、時間があるときに回してもいいかもしれません。のんびり波の音を楽しみたい方はぜひ一度行ってみてください。


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予習のしかた


大学院の授業では、予習はとても重要です。それにより授業の理解度や勉強効率が大きく変わります。大変でも指定の文献1つは読みましょう。今日は予習のしかたについてお話しします。


予習する内容は、教官が指定しています。その内容は授業内容について書かれた冊子に予め記載されていることが多いです(参照:大学院の授業)。教官によってパターンはいくつかあるようですが、指定された文献を読むこと、いくつかの設問の答えを各自用意すること、の二つが中心です。


指定の文献を読むことについてですが、毎回の講義に関係した文献は、前述の授業冊子に各回ごとに指定されていますので、それを読むことになります。教官によって様々ですが、1回の授業で指定される文献は、時に10以上になることがあります。それを全て読めればそれに越したことはありませんが、一つの文献の分量は概ねA4で20ページ位になるので、それを10も読むのはちょっと現実的ではありません。ですので、そのうちから2〜3個、最低1個を読むことを目標にしてください。忙しくても最低1つは読みましょう。そうでないと授業についていけなくなります(参照:大学院の授業)。


授業の冊子には、授業全体についての初歩的・網羅的な文献についても記載されていることが多いです。そのような教科書的な文献の該当部分についても、予め読んでおくと役に立ちます。指定された文献が貸し出されていたりして入手できない場合には特に目を通しておきましょう。また、時間にゆとりがある場合には、該当部分でないところを読むと、理解が広がります。


予習で文献を読む際のコツは、何度もよく出てくる単語がキーワードだ、ということです。授業では、各回のトピックについて、いくつかの重要なポイントについての説明と、その比較検討とが行われることが多いためです。指定の文献とは、その重要なポイントについてよく説明している文献ですから、そのキーワードが、各回のトピックの重要なポイントとほぼ一致します。なので、文献のキーワードを押さえておけば、その重要なポイントを逃すことはないと思います。


もう一つのコツは、そのトピックで有力な学説を唱えている人の名前とその学説の内容に注意することです。これは、課題論文や試験向けの準備にもつながってきます。なぜなら、論文や試験の評価をする際には、有力な学説の名称・内容とその学者の名前を覚えているかどうかが、目安の一つにされているからです。そのような固有名詞等をできるだけ織り交ぜることは、きちんと勉強したことを示すいい方法になります。


ちなみに、読む予習で一番大変なのは、文献を手に入れることです。指定されている文献は図書館にあるか、またはオンラインでダウンロードできることになっていますが(もしないなら教官に要求しましょう)、図書館にある本をコピーしなければならない場合は、同じ授業に出ている生徒の間で奪い合いになります(参照:留学初期のショック)。そのような競争を避けるには、学期開始からできるだけ早い時期に、指定文献のコピーをまとめてとっておくことが有効です。指定文献には優先順位が何かしら付けられていますので(ない場合には教官に尋ねてもいいかもしれません)、それを手がかりにターゲットを絞り、学期1〜2週目の週末に朝早くから図書館に行き、できるだけコピーをとってしまいましょう。手元に文献があるだけで読む気がかなり上がりますし、またコースメイトにコピーしてあげたりすると後でいいことがあるかもしれません。


なお、授業やコース、学校によっては、参考文献が本のように一まとめにされて図書館に置かれているケースや、それが複製されて生協の書店で売られるケースがあります。いずれにせよ奪い合いなので、先んじて入手しましょう。


予習のパターンとしてもう一つ、セミナーやディスカッション向けに、あるトピックについて自分で考えてくる、というものもよくあります。これは議論を活性化しセミナーを有意義なものにするためのもので、言われたとおりに考えてくればいいだけなのですが、この準備をしっかりすると、議論になった際に発言できて、ちょっと気分がいいです。そうやって発言することで、自分が授業に貢献していることをアピールすることができますが、時にはそのようなアピールも重要になってきます。自分の存在感・存在意義を維持増進できるからです。ですので、興味のあるトピックの時には、ちょっと時間をかけて発言内容を準備するといいと思います。


授業が進んできて、論文やセミナーでの発表が少しずつ課されてくると、予習もおぼつかない状況になります。指定の文献を探してコピーするだけでも大変だったりしますが、文献を一つは読んだ上で授業に臨んでください。流し読みして重要そうな単語に蛍光ペンで線を引いておくだけでも、授業やその復習がずっと楽になります。今日の苦労は確実に明日の糧になりますから、大変でも少しだけ頑張ってみてください。




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