図書館と電子図書館(electric resources)


イギリス大学院での勉強は、図書館や電子図書館なしには成り立ちません。大学の図書館はオンライン化が進んでいて、パソコンから検索、予約、更新、文献のダウンロードまでできます。今日は図書館と電子図書館の活用方法についてお話しします。


図書館の入館証はたいていが学生証なので、登録が済んで学生証が発行されると図書館に入れるようになります。9月末や10月には図書館の利用法について図書館職員が説明する説明会がたびたび開かれるので、ぜひ一度出席しておいてください。特に、貸し出しのしかたや一度に借りられる本の数、貸出期間、更新の回数と期間、開館時期・時間といったところが重要なので、早めに情報を入手しておきましょう。図書館は大学で1つとは限らず、キャンパスや学部ごとにあったりします。そういうところを利用することもあるので(そこにしか蔵書されていない場合など)、アクセスのしかたや取り寄せの可否なども聞いておきましょう。


図書館には閲覧スペースや自習室のほかに、パソコンクラスタやミーティングルーム、コピースペースがあります。前者はすぐ埋まってしまう傾向がありますので、クラスタの場所をできる限り多く探し出しておきましょう。パソコンの処理速やプリンタの質は各クラスタごとに違いますので、性能のいいところを探し出しておくと快適です。ミーティングルームは30分か1時間の予約制になっています。セミナーの発表をしたり試験勉強を共同で行ったりする際に便利ですので、借り方を一度聞いておくといいでしょう。コピーはプリペイドカードを買う方式が多いようです。それなりの台数が揃っているはずですが、故障も多く、また混雑するので、本を借りて他の場所でコピーするのがいいかもしれません。この国では本の値段が高いので、コピーは必須です。


図書館に本がない場合でも、他所にあるのが分かれば、そこから取り寄せることもできます。ただ時間がかかったり有料だったりするのでご注意ください。


電子図書館ですが、この国では論文のオンライン化、検索可能なデータベース化が進んでおり、大変便利です。オンラインで購読したり検索したりするためにはAthensというものに登録してアカウントを得ることが必要ですが、大学のパソコンからなら自由に利用できますし、個人のパソコンからでも、図書館のウェブサイトへのログイン等により利用できるようになっています。利用法についてはこれも図書館が説明会を開くはずですので、逃さずに出席して情報を得てください。


利用法ですが、データベースで検索→論文の掲載紙のウェブサイトにアクセス→該当する論文をダウンロード、という流れが多いと思われるので、それに沿って一例をご紹介します。


まず検索ですが、大学や学術団体が、それぞれの特定の分野で検索エンジンを作り、サービスを供給しているので、それを利用します。例えば社会科学なら、ケンブリッジ大学の「Cambridge Social Abstract(CSA)」やユネスコの「International Bibliography of Social Science(IBSS)」が便利です。これらの検索ページに、図書館のサイトのElectronic Resourcesのページ等からアクセスします。キーワード検索であれば、検索語のところにカギとなる単語を入れて検索します。件数が多すぎるようなら条件を絞っていきます。少なすぎるようなら同義語を含めて検索しますが、検索対象が厳密だったりするので、「?」や「*」などのワイルドカードを使ってもいいかもしれません。例えば、道路にあるスピードカメラについて書かれた論文を検索する場合、ある検索エンジンでは、検索語を「speed*」とすると「speed」のほかに「speeding」等を含めることができ、また「camera?」とすると「camera」と「cameras」を検索対象にすることができました。そのようなadvanced searchの方法は、先述の説明会でも説明があると思いますし、また検索エンジンのヘルプページを見てもいいでしょう。便利ですのでぜひ一度見てみてください。


検索して論文がいくつか出てきたら、まずはそのタイトルと概要(Abstract)を見て、自分が本当に探したいものかをチェックします。先述のスピードカメラの例だと、論文が対象としているものが、車のナンバー撮影するものではなく、スポーツ選手のフォームを撮影するような高速度カメラだったりします。そういったものは自分で概要を読んだりして落としていくしかありません。自分が目当てとしている内容を書いている論文は意外に見つからないもので、検索して10本も出てくればラッキーかもしれません。あまり見つからないのは、むしろ検索対象を絞り込めている=あなたの検討が進んでいることを意味しますので、決して悪いことではありません。骨が折れる作業ですが地道にコツコツと進めてください。


脈のある論文が見つかったら、それが掲載されている雑誌の名前、発行年月、巻号、ページを元に、その雑誌のサイトを見つけ出してダウンロードします。図書館のサイトで雑誌のサイトを検索し、発行年月等を指定して見つけ出してください。ダウンロードはPDFが手軽でいいと思います。必要に応じてプリントアウトしておきましょう。検索エンジンによってはリンク先のクリックですぐ該当論文のダウンロードページに行けたりします。ダウンロードの際に雑誌のサイトでAthensのログインを求められるかもしれませんので、それは図書館のヘルプページ等で確認しておいてください。


このように、図書館の他に、電子図書館でのデータベースとダウンロードを活用すると、手元の文献を飛躍的に増やすことができます。論文のアイデアがさらに膨らみ、質も上がるというものです。執筆作業が格段に便利になります。修士論文のみならず、課題論文やセミナーの発表準備にも大変役に立ちますので、これらの技術はぜひ早めに身につけてください。



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