缶詰スパとパスタ事情

MatchofTheDay2007-04-27



今日はイギリスのすごい食べ物、缶詰スパをについてお話しします。何がすごいかというと、缶詰に、パスタソースのみならず茹でたスパゲッティも入っていることです。


あれは2005年の夏、渡航してすぐのことでした。大学の寮に夏季開放で泊まっていたとき(4月20日の日記参照)とき、台所が使えるというので、早速自炊を始めました。スパゲッティの麺と缶詰のパスタソースを買ってきて、麺を茹で始め、ミートソースをレンジにかけようと缶を開けたとき、そこには麺も一緒に入っていて…。

上の写真はその時に買ったのとほぼ同じものです。再現のために買ってきました。麺にソースがからまっているイラストが缶に書いてあり、一応中身を示しているようですが、まさか麺まで一緒に入っているとは、全く予想しませんでした。そんなことをしたら麺が伸びきっておいしくないに決まっているからです。でも、それがその「おいしくない状態で」売られているのです、



今回また食べてしまいましたが、味は、例によって塩味がなく(参照:味付けがないのは)、肉も入っていますがいわゆる缶詰肉の味で、トマトの香りもありません。麺は見たとおりにぶよぶよで、歯ごたえも何もないです。食べられなくはないですが、でもこれを食べ続けるのはかなり辛いです。せっかくの一食をこれに費やすのはものすごく惜しい、…そんな味がします。確かにレンジで2分加熱するだけで食べられるので手軽ですが、でも自分で麺を買ってきてソースを作って食べるほうがずっと満足できるような気がします。他にもラビオリやペンネ等、種類や味、サイズも豊富に売られています。値段は、この缶(400g)で89ペンスでした。


せっかくの機会ですので、この国のパスタ事情についてもお話しします。この国では、缶詰や瓶詰めのパスタソースはよく売られていますが、肉が入ったものを見たことがありません。Dormioというメーカーのレトルトパスタソースには入っているので、それを食べています。パスタ自体も、種類も豊富ですし、乾麺はイタリアから輸入したものがよく売られています。家庭料理としてもポピュラーなようです。でも問題なのはその茹で加減です。はっきり言って茹で過ぎです。イギリス人はパスタを茹で過ぎる傾向があります。ホームステイした際にも一度出てきましたが、ぶよぶよでした。同じ語学学校でできた知り合いは、明太子スパゲッティを作って食べさせたところ、普通の茹で加減だったにもかかわらず、「麺に火が通ってない」と言われたそうです。


茹で過ぎの傾向は、家庭のみならず、街のレストランでも見られるので、イギリスのレストランでパスタを食べるときは、注意しましょう。聞いた話ですが、ロンドンで茹で加減のいいパスタが食べられるイタリア料理屋は3軒しかない、という噂を聞いたことがあります。アルデンテを理解できるのはイタリア人のほかには日本人だけ、なんて話もあります。イギリスに来たら、自分で作らない限り、おいしいパスタは食べられない、と思っていたほうがいいかもしれません。