2.出願


今日はイギリス大学院への出願についてお話しします。4月18日にお話しした「1.情報収集」の続きです。



出願する大学院を5つ程度に絞り込んだら、出願書類を集めます。まず大学の願書ですが、pdfファイルで配布されているか、それとも郵送で送ってもらわなければいけないかを確認し、ダウンロードするなりメールで郵送を依頼するなりしましょう。イギリスと日本との郵便物のやり取りは2週間程度かかると見ておいたほうがいいですので、お早めに。


出願に必要な書類は様々ですが、①願書②大学の卒業証明書・成績表③推薦状④語学試験の成績表、の4つはほぼ共通しているようです。


①願書は、それなりの分量がありますが、必要な項目をきちんと埋めてください。


②大学の卒業証明書や成績表は出身の大学に請求します。手続きは各大学のウェブサイト等に出ていると思います。出願する学校の数よりも多めにもらっておくと何かのときに役立ちます。


③推薦状が一番の難関かもしれません。たいていは2名からで、そのうち1名はacademicな人、すなわち教授等でないといけないからです。ゼミの先生にお願いしましょう。もう1人は指定がないところもありますが、働いているなら上司(課長?)の推薦状がいいと思います。推薦者の所属機関の公式な便箋や封筒で送ることを求められ、またその機関の公印も必要なケースが多いですので、推薦状をお願いする際にその旨をきちんと伝えてください。内容ですが、出願者がバックグラウンドとしてどのようなものを持っているか、やる気と知識がきちんとあるか、というようなことが書いてあると良いようです。自分の推薦状の中身はあれこれとはお願いしにくいものですが、大学教授からなら、大学で勉強した内容と、ゼミで熱心に研究を行ったこと等を書いてもらえると良いようです。上司なら、まじめに勤めていたこと、実務を通じて得た知識、仕事内容と出願するコースとの関連性、等でしょうか。


④語学試験の成績表とは、IELTSやTOEFL等、自分の英語能力を証明するテストの結果です。どのテストの点数が何点必要かは学校によって様々ですので、よく募集要項(Prospectus)を読みましょう。必要な基準を満たしていなくても、入学までに基準を満たして成績表を送付することや、学校が行う英語の準備コース(pre-sessional course)の受講で認められる、等の措置で認められることもありますので、出願前に問い合わせてもいいかもしれません。なお、出願に際して自分はIELTSの成績を用いましたが、その成績表は自分で直接送ることができず、ブリティッシュ・カウンシルから学校に直接送られました(成績表のコピーを自分でも送りましたが)。念のためご確認ください。


①〜④の学校の求める書類に加えて、志望動機書(statement of purposes)を作成して送るといいでしょう。推薦状にきちんと書いてもらっているか自信がない場合でも、③で説明したようなことを自分でアピールできるからです。イギリスでは(他の外国もそうかもしれませんが)、自分で自分のことをアピールするのは何も悪いことではありませんし、逆に自分でアピールしない限り誰も評価してくれません。意図を汲んでくれるようなことは滅多にないのです。ちょっと言いすぎかな、と思えるようなことでも、ウソでない限り積極的に書きましょう。また、志望動機書の他に、何か自分の評価に有利になるようなものがあれば併せて送りましょう。学校が求めている書類に加えて何を送っても大丈夫です。仮に学校の条件を満たしていない場合でも、交渉次第で何とかなる可能性もないとは言えませんので(保証は出来ませんが)、くじけずにあれやこれやと送ってトライしましょう。


送付する際には、コピーを取れるものは念のため全て取っておきます。また、送付状(covering letter)を作成し、同封したものを列挙しておくといいと思います。イギリスの郵便事情は日本よりも悪く、封筒の紛失や破損がそれなりの確率で起こるためです。そういったことの損害を最小限にするべく、用心のために控えやコピーをぜひ作っておき、また何を送ったつもりかを一覧的に相手に示してください。送付方法ですが、UPSでもFedExでも何でもかまいません。自分は郵便局のEMSを使いましたが、どれも1週間ほどで届いたようですし、事故もなかったです。


出願書類の送付ですが、できれば年内に発送したいです。年内に発送しようとすると、書類の作成・収集には思ったより時間がかかりますから、早めに準備を始めるに越したことはありません。教授が推薦状を作成する時間等を含めると、書類の作成・収集は2ヶ月以上は見ておいたほうがいいと思います。お忙しいでしょうが、出願の作業は少しずつでも早目から(9月位から)進めてください。なお、年内に発送しなくても、合格のチャンスは十分ありますのでご安心ください。ただ、その場合でも2月中の発送が限度なように思います。


最後になりますが、送付する文書は当然ながら全て英文ですので、作成するのに時間がかかることに注意しましょう。また、英文が理解不能では意味がないですので、志望動機書くらいは英文チェックサービスを受けた方がいいかもしれません。各学校向けの志望動機書を作成し、そのようなサービスをしている会社に依頼して、英語が不自然でないかどうかチェックしてもらってください。語学試験の点数や大学の成績が良くても、志望動機の英語が全く読めないのでは印象が悪すぎるからです。


ご健闘をお祈りしております。合格通知の内容や他の手続きについては、また日を改めてお話しします。



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