スタジアム観戦のコツ

MatchofTheDay2007-06-19



サッカーやラグビー等、土着性の強い(?)スポーツの応援は必ずどちらか一方のチームへの熱烈な応援であって、中立の立場での観戦などというものはこの国には存在しません。その他にも、いくつか注意した方がいいことがあります。今日はスタジアムでのスポーツ観戦のコツについてお話しします。


まず観客たちの観戦の心構えですが、冒頭にあるとおり、一方のチームへの圧倒的な支持と、相手チームへの敵意とで成り立っています。なので観戦に行かれる際は、ホームチームのみに声援を送り、決して相手チームに声援を送ってはなりません。仮に相手チームにいいプレーがあっても賞賛してはなりません。そうしないと、あなたの身に危険が及びかねません。ファンたちは、自分のチームのプレーが少しでもいいと大賞賛し、逆に相手チームの選手が反則をしたような場合は、容赦なく、時に行きすぎと思えるほどにも、ブーイングを浴びせます。あたかも罵り言葉を言いたいがためにスタジアムに来ているかのごとくに、試合中ずっと怒鳴ったりブーイングをしている人も時折見かけます。なお、サッカーではローカルチームびいきの傾向が特に強いようなので、着ていく服や持ち物の色までも気をつけたほうがいいかもしれません。また、ゴール裏の席は熱心なファン(フーリガン?)がよく集まるので、そういった席はたとえ安くても避けたほうが無難です。


持ち物ですが、カメラ類、食べ物は大丈夫ですが、水類は規制の対象となる可能性があります。缶だけダメ、ペットボトルもダメ、どちらもOK、と、スタジアムによっていろいろパターンがあるようで、一概には言えませんが、スタジアム入場後にも水は買えますので、持って行かない方が無難かもしれません。なお、秋から春のスタジアムはかなり寒いですので、暖かい服装をして、毛布や携帯カイロ等を持参するといいと思います。


スタジアムのスタンドの裏には売店があり、ビール、軽食、スナック菓子、ジュース、水等を売っています。飲食物は席にも持ち込めますが、サッカーのみ、ビールはスタンドへは持ち込めません。サッカー試合中のスタンドでの飲酒を禁じた法律があるそうで、試合中でなくとも席には持って入れません。ちなみにラグビーはスタンドで試合中にもがぶがぶ飲んでいます。


スタジアムには数万人の人が押し寄せますので、早めに行くことをお勧めします。自分は試合開始1時間〜1時間半前に着くようにしています。電車やバスは混雑しますし、渋滞等で遅れる可能性もあり、さらに最寄の駅からかなり歩かされることも多いからです。関連グッズ等を売るオフィシャルショップは早めから開きますし、選手の乗ったバスの到着を迎えたり、盛り上がっているサポーターたちを見たり、記念撮影をしたり、と、早く行ってもあまり退屈しません。また、まれに、試合前にスタジアム近辺で無料で配られるものもあったりします。07年4月のサッカーFAカップ準決勝では、カップのレプリカ風船がスポンサー企業から配られました。


オフィシャルショップでは、選手のユニフォーム(レプリカキット(replica kit))の他、チームのロゴが入った様々なグッズが売られています。ベビー用品や水着まであったりします。ユニフォームは、後からアイロンプリントの背番号・名前をつけてもらうことができます。試合当日は受け付けていなかったり、試合後にしか受け取れなかったりしますので、もし着て試合を観戦したい場合には、インターネット等で注文して予め受け取っておいた方がいいです。なお、オフィシャルショップは試合後もしばらくは開いていますので、混雑を避けるべくしばらく時間をつぶしてもいいかもしれませんが、人の波が消えてしまった後だと帰り道が分かりにくかったりしますので良し悪しです。自分は一度迷ってしまって苦労したことがあります。また、試合のプログラム(出場選手リスト等が書かれている)は試合後には売切れてしまっていることが多いので、もし欲しい場合は、売っている人を見かけたら即座に買いましょう。


試合当日、スタジアムの周囲にはハンバーガー等の屋台が立ち並び、活気に溢れます。スタジアムへは、荷物とチケットのチェックを受けた上で、狭い入口のバーを押して入ります。階段を登っていき、席のあるスタンドの近くの売店で飲み物を買って入場です。ちなみに売店の近くにはブックメーカー、いわゆる賭け屋の出張窓口があって、マークシートと真剣ににらめっこしている人が何人もいます。それを尻目にスタンドに入り、試合開始を待ちます。


ハーフタイムには売店、トイレとも大混雑します。また、スタンドは禁煙なようで、スタンド裏の通路はタバコをふかす人でごった返します。かなりのカオスなので、もし用事がある人は試合終了前から先駆けて行った方がいいと思います。上の写真は、先述のFAカップ準決勝チェルシーブラックバーンの試合の、ハーフタイムのスタンドの様子です。スタジアムはマンチェスターオールド・トラフォード(Old Trafford)です。


試合時間中は立ったり座ったりを繰り返します。観戦中は基本的に座っていますが、チャンスが来るとみな一斉に立ち上がります。そして点が入ると「イェー」という地鳴りのような声が上がり、しばらく歓声が続きます。点が入らないと「オーゥ」というため息とともにそそくさと席に座ります。その席に座る動作が早くて面白いです。試合中は応援歌や名前のコールが頻繁に自然発生しますが、観客はよく知っていて同調するので、けっこう大きな声になります。試合中になんとなく覚えられるので、気が向いたら声を張り上げてみましょう。


試合が終わるとみなそそくさと帰ります。基本的に早い者勝ちですが、意外に譲り合いの精神が発揮され、出入り口の席に近い列の人から順番に出て行くことになります。ただ、スタジアムを出るまで、また出てからもずっと行列になるため、早く帰る必要がある場合には、試合終了10分前のような、それなりに早い時間に出る必要があります。


帰りは数万人が一斉に帰るため、来たときよりも混雑の度合いは大きいです。電車等の切符は予め買っておく方がいいです。ただ、ごくまれに、行きとは別のルートで楽なものもあり(タクシーを使う、等)、そのあたりの判断は難しいところです。また、大きな人の流れや行列があっても、自分が意図しているものとは別の手段を使うものだったりもしますのでご注意を。列に入ったら観光バスに乗る列だった、という経験があります。


試合を精密に観戦するのはテレビの方が良かったりもしますが、生観戦の良さも捨てがたいです。実際にスタジアムに足を運んでみると、得がたい経験をすることができます。チケットはそれなりの値段がしますが、イギリス人の盛り上がり方を経験するという意味でも貴重な機会ですし、機会がありましたらぜひ一度行ってみてください。



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