イギリス人の楽しみとは(Lose yourself)


イギリスの人々は「lose yourself」が大好きなようです。訳すなら「我を忘れて没入する」というところでしょうか。今日はイギリス人にとって楽しいこととはどのようなことか、について少し考えてみました。


先に抽象的な話をすると、上の日本語訳を補うなら、自分を見失うくらいに何かにふける、とか、まともな感覚を失う、といったことも挙げられると思います。以下具体例を。


1. 裏声で奇声を上げる(高い音で「ホー」と叫ぶような感じ)
この国の人は盛り上がったときはこれです。同意や応援を示すようです。これをすると気分が高揚するらしく、みなこれをしたくてしょうがないように見受けます。ロンドンの学校の生協(student union)が主催した歓迎のイベントで早くも知りました。学校にはミラーボールまでついているようなミニディスコ(?)があったのですが、そこに学生がぎっしり集まり、歓談して盛り上がっていましたが(ステージで何をしていたかは忘れました)、舞台で何か行われると、裏声の歓声がそこかしこで上がっていました。


2. 酒を飲んで酔う
イギリスの若い人は、毎週末必ず飲みに繰り出します。かなり飲むようで、へべれけになっている人を街中でもよく見かけます。上の階の住人(ロンドンでもリースでも)は、金曜と土曜の22時半くらいにガタガタと支度をして出て行き、3時頃に酔っ払った様子で大声でしゃべりながら帰ってきます。たまに家でも飲んで騒ぎ続けます。行き先はクラブだかパブだかバーだかわかりませんが、本当に毎週出ていきます。


3. 車を猛スピードで走らせる
先日お話したとおり(イギリス人の車の運転)、イギリス人は爆走が大好きです。寸暇を惜しんでみな爆走します。せっかち、というよりも、爆走を楽しんでいる、というふうに理解した方がしっくりきます。車の性能の評価目安は高速走行の性能だけですし。


4. サッカースタジアム等で歓喜の渦に包まれる
スポーツ観戦で他の観客と一体となって盛り上がるのが大好きです。サッカーでもラグビーでも、応援しているチームが得点すると「イエーーーーー」という大歓声がしばらく続きます。スタジアムが地響きを立てて揺れます。特にサッカーはすごいです。時折日本でもヨーロッパの試合が中継されますが、ゴール時に盛り上がっているのは一部の熱狂的なサポーターのみというわけではありません。応援している観客全てです。また、敵チームには容赦なくブーイングを浴びせます。ものすごい怒号や罵り言葉だったりしてびっくりします。four letter word(f wordとも。いわゆる汚い言葉に4文字の単語が多いことから名づけられたよう)も盛んに叫ばれます。そこまで言わなくても、と思うのですが、そういう言葉を言いたくてしょうがないようです。言った人は妙にすっきりした様子になっていたりします。


これらの他にもまだ類型はいくつかあるかもしれません。


どれも熱狂、興奮、気分の高揚などの感覚的な要素が中心です。パブ等の場で静寂より喧騒を好む傾向も、大きなくくりでこの中に含まれるかもしれません。イギリス人には、言葉や論理を重んじ、議論を好む、という傾向があると自分は今でも思っていますが、上記のような傾向もあるので、いまいちしっくりと理解できていません。静かな思考と熱狂とが、個人の中に「楽しみ」として併存する、それがイギリス人だ、ということなのでしょうか。



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