渡航前のおすすめ書籍
イギリス留学生活がどんなものかは、来て体験してみないと分からないものなのかもしれませんが、日本でも手に入る書籍等で知識をある程度仕入れておくことは、いろいろな意味で有効です。今日は、留学での勉強のしかたについて予習したり、イギリスでの生活、旅行やエンターテインメントなどについてのイメージを得たりするのに役立つと思われる書籍等について、独断と偏見で選んでご紹介します。
まずは勉強関係ですが、イギリスの大学院での勉強はどのようなものになるか、学生にはどのような態度が求められているかを知るには、“良い生徒になる方法”とでも訳されるようなジャンル‘how to be a student’関係の書籍が役に立つと思います。授業や課題のこなし方は日本のそれとはかなり異なるので（参照：大学院の授業、４．渡航の準備・生活設計）、予めイメージをつかむのには最適です。英語もそれほど難しくありませんし、英文を読む訓練をするという意味でも良いと思います。自分が読んで面白かったのは「How to Be a Student: 100 Great Ideas and Practical Habits for Students Everywhere」というSarah Moore＆Maura Murphyが書いたものですが、似たようなタイトル・内容の本がたくさん出されているので、お好きなものを選んでください。
修士論文や発表など、特定のトピックに限定した書籍もたくさん出版されています。Peter Levinという人の「Student-friendly guide」というシリーズのうちのいくつかを読みましたが、かなりためになって良かったです。薄くて読みやすい本でした。
ttp://www.openup.co.uk/sfg
なお、上記のような内容について日本語で書かれている本、というのはあまり思いつかないのですが、修士論文の書き方については、「創造的論文の書き方」という伊丹敬之氏の本が印象に残っています。英語で書くのとはちょっと違うかもしれませんが、論文を書くにあたっての知的営みの仕組みが説明されています。
続いてイギリスでの生活についてですが、一番いい情報源はイギリスで生活している人のブログだと思うものの、イギリス生活やイギリス文化、イギリス人について書かれた本を読んでみるのもいいかもしれません。個人の経験はあくまで個人の経験であって、簡単に一般化できるものではありませんで、書籍の内容は個人の考え方から離れることができず、したがって公平公正な視点などありえないのかもしれません。ですが、そういったことを踏まえて読むのであれば、個人の体験談はとても役に立つと思います。また、イギリスに留学したいと考えている人は、留学ガイドブック等での意図的な賛美のせいもあって、たいていはイギリスが素晴らしい国だと頭から信じ込んでいる（崇拝、は言い過ぎかもしれませんが）ので、そういった方には辛口なイギリス批評をしている本をお勧めします。期待やプラスイメージが大きいと、（仮に）現実を知って落胆したときのショックが大きくなってしまうので、予め免疫をつける自分のとは異なる視点・視野を得るという意味でも、そういったイギリス辛口批評の本を読んでみてもいいと思います。
イギリス生活について、緊急時の医療や交通機関、住居、教育等、生活上の制度・しくみについて説明した便利帳のような本もいくつか出ています。ロンドンについての記述に偏っている、という短所はありますが、読んでみてもいいと思います。そういった生活に直接関連する情報については、日本語で解説している本が手元にある、というだけでも安心できるものです。「地球の暮らし方」という本をもらって読みました。
最後に、申し上げるまでもありませんが、いわゆる旅行ガイドは必携です。空港や交通機関についての情報は渡航後すぐの段階で必要になりますし、国土の様子や交通網の広がりなど、イギリスの概要をつかむための情報があって、旅行以外の場面でも役に立ちます。ロンドンに住むのであればそのガイドブックもあると便利です。詳細な地図・交通路線図は現地で入手するのがいいと思いますが（もし買うのであればA to Zのシリーズのものがいいですが、日本で買うと高いのでおすすめしません）、そのようなガイドブックでも、日本にいる間からある程度イメージを持つことができ、順応が早くなります。
留学は行ったら行ったで何とかなるものなので、日本にいる間に変に不安になって本を読みまくったりする必要はありません。ですが、少し準備をしておくと、新天地での新しい生活・勉強がよりスムーズに始められるようになります。通勤中などのちょっとした時間で十分なので、機会があったら上記のような本に一度目を通してみてください。
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