留学初期のショック


大学院での授業が始まると、それまでの浮かれた楽しい気分は吹っ飛んで、ちょっとつらくなります。今日は留学を始めた頃の自信の喪失等と、その対処法についてお話しします。


英語圏で勉強した経験がある人でない限り、留学を始めてすぐの頃(9〜10月中旬くらい)は、疲れ果て、自信が打ちのめされてしまう時期になるかもしれません。自分の経験から考えてみて、英語で勉強するのはやはり大変なこと、求められる勉強の内容がかなりタフなこと、不慣れな生活環境で毎日が落ち着かないこと、が要因だろうと思っています。


1. 英語で勉強は大変
日本でたくさん勉強しても、やはり英語のみで勉強をするのはきついです。教官の言っている単語や大まかな意味内容は大体分かっても、そこから何を言いたいのか、何が重要なのか、全体の論理の流れはどうなのか、といったことを理解するのはかなり大変です。話の中から大事なところをメモしようにも、どこが大事なところかを理解しないと始まりません。あれやこれやと自分なりに理解しようと考えている間に、話はどんどん進んでしまいます。勉強で求められているのは、話されている単語が分かってある程度の返答ができる、というような日常会話とは明らかに違います。単語出現の頻度や表現法から文脈を読み取り、教官の訴えたいことを把握する、というような、より深い理解が求められます。“英語はあんなに日本で勉強したのに全くついていけない”、と授業中から茫然自失に陥ったことが、自分は何度もありました。


2. 勉強がタフ
カテゴリー「勉強」の中でもたびたびお話していますが、毎回の授業は中身が濃いです。英語で行われるためそもそもハードなことに加え、展開も速いように思います。日々の予習にもそれなりの時間を割かなければならず、ましてセミナーで発表があるようなときは、1週間くらい準備しないといけないこともしばしばです。ただ作業するだけでなくある程度は内容を理解しないと意味がないので、読み方も必然的に集中したものになります。さらに、そもそも予習や発表する材料=文献を探さなければ始まりませんで、図書館やインターネットで指定の文献を探したりコピーするだけで何時間もかかることはしばしばです。週に4コマあった時期は毎日が本当に授業準備に追われていました。文献が既に貸し出されていたり、コピー機の順番待ちをしたり、という些細なことでも、積み重なるとけっこう負担になります。今考えると3コマが限度だったかもしれません。


3. 生活が落ち着いていない
勉強だけで既に忙しいですが、慣れない生活環境の中で暮らすこともさらに負担になります。家探しは大変ですし、いい住居が見つかっても、生活のセットアップ(引越しや家財道具の購入等)はけっこう手間がかかります。さらに、この国はいろいろな面でサービスが悪いので(参考:イギリスのインターネット事情配達はひどい)、苦労・苦痛が絶えません。授業が始まった頃には生活がある程度固まっていても、リラックスして落ち着いて日々を過ごせるようになるのは、かなり先になってしまうかもしれません。


このような要因が連れ立って波状攻撃してくるのですから、この時期は本当にタフな日々になってしまうでしょう。しかし、このつらい時期に大事なのは、自分を変に責めず、いつか慣れるときが来る、ということを信じて、日々コツコツ勉強をこなしていくことです。実際、勉強にも英語にも慣れる時期は必ず来ます。より正確に言うと、「大変なのは大変でもそれなりにこなしていける」ようになります。英語が前より上達していることにふと気づく日は必ず来ます。自分なりの勉強スタイルが出来上がったかな、と気づく日が、あなたにもきっと訪れます(参照:英語の上達サイクル)。大変な1学期を乗り切り、年末年始に課題論文をいくつか書き上げた後、また授業が始まってしばらくした頃には、「あれ?思ったより大変じゃないかも」とふと気づくと思います。


そうは言ってもつらいときはつらいものなので、そんなときは無理せず休養してください。そして、その休養は、時に強制的に自分を休ませることも必要です。勉強が乗ってきてずっといい調子で勉強できそうなときや、どうにも時間が足りなくて休んでいる暇がなさそうなときこそ、休養を入れてください。走れそうだからといって走り続けると、ある日突然パタッと足が止まってしまいます。頑張るべきときに頑張るのは時に必要ですが、そんなときでもその後で必ず休みを入れてください。自分がお世話になったOさんは、週に1回は24時間の休養を必ず入れていたそうです。自分はそもそも意識せずとも休養を入れられるタイプ(?)で、寸暇を惜しんで休んでいましたが、それでも最低2週間に1回は、丸一日何も勉強しない日を作っています。休養の中身は何でもかまいません。寝るのもいいですし、食べるのもいいですし、自分が楽しめることを思う存分してください。ちなみに自分は贅沢なもの(寿司とか)を食べたり、海や池など水がたまったり流れているのを見るとリフレッシュできるので、休養として週1回くらいはそんなことをしていました。


留学しての勉強は大変で、慣れない頃はかなりタフな毎日になると思います。ですが、そのつらい日々は決してあなたを裏切りません。あなたが苦しみながらしてきた努力は、確実にあなたの力になっていくのです。力が溜まって発揮されるまである程度時間がかかるようですが、その時は必ず来ます。その一方で、きちんと息抜きをすることもとても重要です。適度に(時に無理やり)息抜きを入れつつ、自分を信じて、少しずつコツコツこなしていきましょう。



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