家の造り

MatchofTheDay2007-05-15



住居は快適な生活を送る上でとても重要なので、新たに項目を立てることにしました。これから先、住宅事情や下見時のチェック項目、電気ガス水道関係の手続き、家具等について触れていきますが、今日は家探しの予備知識として、イギリスの家の特徴についてお話しします。


1. 家具や食器類が標準装備
これはもうご存知かもしれませんが、ベッドやソファ、クローゼット、テーブルや椅子、本棚等の家具のほか、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品、さらにお皿やグラス、なべ等の食器類が予め備え付けられていることが多いです。枕やシーツ等の寝具類、電話機、勉強用の椅子などはないかもしれません。


2. 床や壁、天井が薄く、音が筒抜け
かつて足音のうるささについての回でもお話しましたが(参照:足音がうるさい)、この国は床や天井が意外に薄いです。外壁はレンガや石造りでも床や天井は木で造られていることが多いためでしょうか。壁等に防音剤が入っているわけではないこともあり、上下左右の部屋の音がよく聞こえてしまいます。この国の人々はあまり騒音が気にならないようで、外の音が聞こえても、また自分の音が外に漏れていても一向に気にしません。若者は毎週末夜遅くまで飲んで騒ぐ傾向があり、そういった人が近くに住んでいるとうるさいかもしれませんので、ご注意を。家探し・部屋探しをする際には、外の音がどう聞こえるかを確かめ、また上下左右の住人がどんな人かを大家に尋ねるといいと思います。


3. ユニットバスが多く、その部屋の壁が全て防水というわけではない
バス・トイレが、まさにとって付けたように、普通の部屋にあることが多いです。壁にタイルやラミネートを貼ってあればいいものの、そうでないケースもあります。水を飛ばさないようにシャワーを浴びるのはなかなか難しいですし、冬場は結露しやすいため、壁を汚さないように使うのは至難の業です。


4. 洗濯機は台所にある
日本ではあまり見かけない置き方ですが、この国では洗濯機は基本的に台所にあります。水関係のものはなるべく一つのところにまとめる、という発想でしょうか。一槽式・ドラム式が多く、洗濯だけでなく乾燥もできるタイプだったりします。


5. ボイラーが命
お風呂や台所のお湯は、ボイラーで一括して沸かされます。暖房にも用いられていることもあるので(その場合、部屋にラジエーター(上の写真)があります)、その場合はまさにボイラーが生命線になります。冬場に故障すると大変つらい思いをするようです。


6. 水洗トイレがタンク式
タンクに水を溜めておき、それを用いて流す仕組みのため、水流の勢いが弱かったり、連続で流せなかったりします。駅や空港などの公共機関でもそうです。


7. 照明が暗い
部屋の照明のワット数が低かったり、中央でないところについていたりして、一般に暗いです。ランプシェードが和紙+竹ひごのものをよく見かけます。


8. 窓があまり開かない
防災の観点からなようですが、窓はあまり開きません。いくつかパターンはありますが、上半分が30センチほど手前に傾く、という程度だったりします。日本でよく見かける引き戸のような窓はほとんどないです。


9. オーブンが標準装備
電熱線とガスと2つのタイプがありますが、基本的に家のキッチンにはオーブンがついています(参照:オーブンで牛肉の塩がま焼き


10. 火災報知機がよく鳴る
バスルームを除いて全部の部屋に火災報知機がついていて、センサーの感度が良いのか悪いのかわかりませんが、よく作動します。ものすごい音量で警報音が鳴ります。これを聞いたら建物から出なければいけない、と法律で定められているようですが、人々は慣れてしまっていてあまり反応していません。


イギリス人は古い家を大事にして住んでいる、とよく言われるようですが、それにはいろいろ事情があるようです。上の2〜4は、古い建物を改修するだけで住み続ける、ということが影響しているのかな、と思います。イギリスの家は基本的に古いです。築30年というのはまだ新しい方なようで、自分がロンドンで住んでいた家は1950年より前の築造でしたし、今のリーズの家はそれより前なようです。家は古いのですが、中身はそれほど古くないことも多いです。それは、建物の構造自体は昔のものを使い、内装のみを変えて使っているためです(もちろん内装まで古い家もありますが)。


そうする理由ですが、建て替える必要があまりないからかな、と思っています。この国では地震がないためか、家の構造は石やレンガ造りが多くて壊しにくいですし、また、古くなっても構造はあまり傷まないため、内装を新しく変えれば特に問題なく住み続けられることが可能です。その他、家を建て替えようとすると、バリアフリー化や防災措置などの義務がいろいろかかってくるため、それを嫌がる人が多い、という話もあります。


建物は古いほうが趣がありますが、家が古いと、窓が開かなかったり隙間が多かったり寒かったり音が筒抜けだったりします。家探しをする際は、内装の新しさ・設備のよさと併せて、いろいろチェックしてみてください。


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