イギリス人の飲み方


イギリス人は(欧米人全般がそうなのかもしれませんが)ほぼ毎週酒を飲みますが、ぎっしり集まって大声でしゃべって盛り上がりながら飲むのが大好きなようです。また、基本的に飲んでいる間は何も食べません。今日はイギリス人の酒の飲み方についてお話しします。


大学院のコースの面々で、月に1回くらいの頻度で、週末に飲みに行っていました。その飲み方ですが、まずパブ(pub)に集合します。週末のパブは信じられないくらいに混んでいる上(朝の満員電車のようです。本当です。)、かなりうるさくて普通にしゃべれないくらいなのですが、その中で負けずに大声でしゃべります。椅子はそもそもパブには少ないのですが、立って飲むのを誰も厭いません。お酒も、自分のペースで止められるのならいいのですが、「今回は俺が全員分おごるよ」「次は俺だ」みたいなことを延々繰り返すこともしばしばで、そうなるとひたすら飲み続けることになります。おつまみや小料理に相当するものはそもそもパブにはなく、せいぜいポテトチップ(crisp)やピーナッツくらいです。なので、お酒を飲むとなると、パブで、ほとんど何も食べないまま、立ちっぱなしで、混雑している中、大声でしゃべり続け、飲み続けることになります。友人たちはその後、時間になったらクラブ(club)に繰り出して行ったようです(クラブの開店は23時)。


飲み方がこの有り様なので、自分は一度でもうへとへとになり、数回で行かなくなってしまいました。もう本当にうるさいし、混んで蒸し暑いし、立ちっぱなしもつらいし、空きっ腹で飲むと酔いが回るのも早いしで、とてもつらかったのですが、友人たちに尋ねたところ、どうやらその騒々しさや混み方が楽しいというのです。多人数集まってたくさんの話し声に包まれ、ワイワイガヤガヤしながら飲むのがいいんだ、静かなパブなんてつまらない、と。それから、なぜ何も食べないんだ、体に悪いんじゃないか、とも訊いたら、空腹で立って飲むとすぐ酔うことができて安上がりだ、と言われました。


この2つの発言はかなり奇妙に聞こえますが、どうもこの友人が特殊なわけではないようです。人々の様子を観察していると、どうやら皆そう思っていそうな気がします。金曜の夕方には、パブに入りきらず道路に溢れて飲んでいる人々を、至るところで見ることができますが、彼らは何も食べていませんし、また座れないからといって別の店に行くわけでもなく、立ったままずっと飲んでいます。建物の中も道路もものすごい騒々しさですが、各人がそれぞれ大声でしゃべって、その”楽しい”喧騒に貢献しています。


お酒に強い人や賑やかなのが好きな人なら楽しいのでしょうが、自分はそれほどアルコールに強くない上、騒々しいのは苦手なので、ちょっとあまり楽しめず、残念です。また、パブでは白人以外の人をあまりパブで見かけたことがありませんで、黒人や他のアジア人にもやはりなじまない飲み方なのかな、と思ったりもしています。


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