硬水での生活

MatchofTheDay2007-06-06



イギリスでは硬水の地域がそれなりにあり、日本での暮らしとちょっと違うことが起きたりします。今日は硬水が生活にもたらす影響についてお話しします。


まず飲んでみて味が違います。イギリスの水道水はそのままでも飲めますが(無理に飲めとはいいません)、ブリタなどの浄水器に通しても硬水のままです。日本だと一部地域を除いて軟水なので(沖縄は硬水だとか)、あまり飲み慣れていない味がします。石灰分が多くてのどをなかなか通りにくい感じです。エビアンは硬水なのであんな感じです。コーヒーや紅茶の味も日本とちょっと違います。ロンドンで飲む紅茶はおいしい、などという話を聞いたことがありますが、それは硬水で出すからだと思います。実はお茶を入れるには軟水が適している、という説もあります。


水の質は茹で麺の味にも影響します。硬水でパスタを茹でるとおいしいです。ロンドンではブリタに通しただけの水道水でパスタを茹でて食べていましたが、それだけで十分おいしく、パスタソースは要らないんじゃないか、と思えるくらいでした。日本でもエビアンで茹でるとそんな味わいが少し出るかもしれません。一方、日本製のうどん等の乾麺は、日本ほどおいしくはならなかったです。軟水で打った麺は軟水で、硬水で打った麺は硬水で茹でた方がおいしい、という話を聞いたことがあります。


硬水はカルシウムが多いそうで、そのせいでライムスケール(lime scale)と呼ばれる白い石のようなものがたくさん付きます。やかんや湯沸かしケトル、蛇口はおろか、お風呂の浴槽や洗面所、シャワーヘッド、果ては洗濯機のドラムにまで付きます。安いホテルで部屋のケトルの中を見ると、たまに白褐色の石が成長して鍾乳洞のようになっていてびっくりします。熱効率が悪くなったりカビの元になったりしますので、お酢モルトビネガー(malt vinegar))や専用の落とし剤で定期的に落としましょう。


水の質が違うと、いわゆる石鹸系の使い勝手が変わり、一般に泡立ちが悪くなります。洗浄能力も落ちるようで、洗濯用洗剤の箱には、硬水・軟水の地域ごとの使用量が書かれていて、硬水の方は1.5倍多くするようにとされています。シャンプーやボディソープは泡立ちが悪くなって、すすいでも体に石鹸が残っている感じがします。シャワーで流している間もヌルヌル感がし、それが体を拭くくらいまで続きます。髪やお肌のことを考えたら軟水の方がいいらしく、軟水変換シャワーヘッドなるものの広告がよく日本語の情報誌に出ていたりします。自分はそこまでしなくてもいいやと思い特に何もしていませんが、しばらくすれば慣れます。ただボディソープだけはこちらのものが合わず、日本のものをずっと使っています。どうもこちらのものは泡立ちが強すぎてすすぎが大変な気がするので、日本製の弱酸性のものを、人に頼んで買ってもらってまでして使っています。


上の画像はイングランド内の硬水・軟水の分布マップです。水道会社の供給エリアごとに色分けされています。ちなみに自分は今リーズですが、地図で見るとおり軟水エリアで、ロンドンとは水の質が全く違います。やはり慣れた軟水の方がいいように思います。


余談ですが、ミネラルウォーターを買う際には銘柄に注意した方がいいかもしれません。銘柄を選ぶ必要がある、と言うとちょっと奇異かもしれませんが、硬水エリアだと売っているミネラルウォーターも硬水だったりします。ロンドンでは硬水のものが多く売られていた気がします。自分は軟水がいいので、スコットランド産(例えばHighland Spring Water)のものや日本でもおなじみのボルヴィックを買うようにしています。


Picture Source: " A Consumers' Guide to Water Softeners " - copyright British Water


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