予習のしかた


大学院の授業では、予習はとても重要です。それにより授業の理解度や勉強効率が大きく変わります。大変でも指定の文献1つは読みましょう。今日は予習のしかたについてお話しします。


予習する内容は、教官が指定しています。その内容は授業内容について書かれた冊子に予め記載されていることが多いです(参照:大学院の授業)。教官によってパターンはいくつかあるようですが、指定された文献を読むこと、いくつかの設問の答えを各自用意すること、の二つが中心です。


指定の文献を読むことについてですが、毎回の講義に関係した文献は、前述の授業冊子に各回ごとに指定されていますので、それを読むことになります。教官によって様々ですが、1回の授業で指定される文献は、時に10以上になることがあります。それを全て読めればそれに越したことはありませんが、一つの文献の分量は概ねA4で20ページ位になるので、それを10も読むのはちょっと現実的ではありません。ですので、そのうちから2〜3個、最低1個を読むことを目標にしてください。忙しくても最低1つは読みましょう。そうでないと授業についていけなくなります(参照:大学院の授業)。


授業の冊子には、授業全体についての初歩的・網羅的な文献についても記載されていることが多いです。そのような教科書的な文献の該当部分についても、予め読んでおくと役に立ちます。指定された文献が貸し出されていたりして入手できない場合には特に目を通しておきましょう。また、時間にゆとりがある場合には、該当部分でないところを読むと、理解が広がります。


予習で文献を読む際のコツは、何度もよく出てくる単語がキーワードだ、ということです。授業では、各回のトピックについて、いくつかの重要なポイントについての説明と、その比較検討とが行われることが多いためです。指定の文献とは、その重要なポイントについてよく説明している文献ですから、そのキーワードが、各回のトピックの重要なポイントとほぼ一致します。なので、文献のキーワードを押さえておけば、その重要なポイントを逃すことはないと思います。


もう一つのコツは、そのトピックで有力な学説を唱えている人の名前とその学説の内容に注意することです。これは、課題論文や試験向けの準備にもつながってきます。なぜなら、論文や試験の評価をする際には、有力な学説の名称・内容とその学者の名前を覚えているかどうかが、目安の一つにされているからです。そのような固有名詞等をできるだけ織り交ぜることは、きちんと勉強したことを示すいい方法になります。


ちなみに、読む予習で一番大変なのは、文献を手に入れることです。指定されている文献は図書館にあるか、またはオンラインでダウンロードできることになっていますが(もしないなら教官に要求しましょう)、図書館にある本をコピーしなければならない場合は、同じ授業に出ている生徒の間で奪い合いになります(参照:留学初期のショック)。そのような競争を避けるには、学期開始からできるだけ早い時期に、指定文献のコピーをまとめてとっておくことが有効です。指定文献には優先順位が何かしら付けられていますので(ない場合には教官に尋ねてもいいかもしれません)、それを手がかりにターゲットを絞り、学期1〜2週目の週末に朝早くから図書館に行き、できるだけコピーをとってしまいましょう。手元に文献があるだけで読む気がかなり上がりますし、またコースメイトにコピーしてあげたりすると後でいいことがあるかもしれません。


なお、授業やコース、学校によっては、参考文献が本のように一まとめにされて図書館に置かれているケースや、それが複製されて生協の書店で売られるケースがあります。いずれにせよ奪い合いなので、先んじて入手しましょう。


予習のパターンとしてもう一つ、セミナーやディスカッション向けに、あるトピックについて自分で考えてくる、というものもよくあります。これは議論を活性化しセミナーを有意義なものにするためのもので、言われたとおりに考えてくればいいだけなのですが、この準備をしっかりすると、議論になった際に発言できて、ちょっと気分がいいです。そうやって発言することで、自分が授業に貢献していることをアピールすることができますが、時にはそのようなアピールも重要になってきます。自分の存在感・存在意義を維持増進できるからです。ですので、興味のあるトピックの時には、ちょっと時間をかけて発言内容を準備するといいと思います。


授業が進んできて、論文やセミナーでの発表が少しずつ課されてくると、予習もおぼつかない状況になります。指定の文献を探してコピーするだけでも大変だったりしますが、文献を一つは読んだ上で授業に臨んでください。流し読みして重要そうな単語に蛍光ペンで線を引いておくだけでも、授業やその復習がずっと楽になります。今日の苦労は確実に明日の糧になりますから、大変でも少しだけ頑張ってみてください。




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