番外編:イギリス大学院の卒業式

MatchofTheDay2007-05-31



今日は「留学への道」シリーズの番外編として、イギリスの卒業式の実際ということで、ロンドンの大学院の卒業式の様子をお話しします。苦難の道のりでしたので、卒業式は本当に晴れがましい最高の瞬間でした。学校によって、着る服や手続き、式典の内容等いろいろ異なるようですので、あくまで一例ということでご覧になってください。


卒業の可否の発表は11月中旬でした。修士論文(dissertation)の提出期限が9月初頭でしたので、2ヶ月強で卒業の可否が判定されたことになります(期末試験は6月中旬で終了していました)。友人に掲示を確認してもらいましたが、卒業可と分かったときは本当に躍り上がりました。


自分の卒業式は12月14日午前でした。前日もあり、午後もあるので、4分の1ずつに分けて卒業式が行われたことになります。どうもこの日のあたりがマスター・ドクターの卒業式の旬のようで、ロンドンのみならずイギリス中でローブ姿の卒業生を見ることができます。ちなみに7月の12日近辺ももう一つの旬のようです。


着る服はこんな感じでした(左の写真。モデルは自分ではありません)。ガウン(gown)、フード(hood)、角帽(hat)の3点セットは、色や形が学校や学部(School)ごとに定められていて、業者が指定されています。そこのウェブサイトで予約しましたが、レンタル(当日返却)で40ポンドでした。購入もできるようですが、最低でも316ポンドもするので当然パスです。ガウンの下には一応フォーマルな服を着ることになっており、スーツが望ましいとあったのでスーツを着ていきましたが、当日は寒くて凍りそうでした。


卒業式当日は流れ作業のように進んでいきます。七五三や身体検査の気分です。まず衣装を受け取りに行きます。受付で予約証を示し、部屋に入ると、衣装が山のように詰まれています。そこから自分の身長、頭の周囲の長さに合ったものを受けとり、スーツの上から着ます。その足で写真撮影場所に行き、左上の写真のようなものをデジカメでいくつも撮影します。家族や友人がいる場合一緒に撮影できます。現場で引き伸ばす写真を指定して終了です。


写真撮影後そのまま式会場へ。講堂がない学校だったので近くの劇場で行われました。卒業生が1階前部に入り、家族等のゲストが後部や2階に座ります。ちなみにゲストは2人までで、一人当たり15ポンドの入場料がかかりました。商魂たくましいです。


式にはマスターとドクター(PhD)の生徒とが参加します。衣装のデザインは違い、ドクターの方が赤くてカッコよかったです。壇の上には学長や学部長が並んでいます。学長や評議員は専用のローブを着ていて、学部長はドクターの衣装と同じようでした。


式は学長の式辞(冗談ばかりで日本みたいな厳格さはありませんでした)、来賓の祝辞の後、楽団の演奏があり、すぐ授与式に入ります。全員が壇に上がって握手する仕組みになっていて時間がかかるためです。順番に壇の下に並び、学部長が名前を呼んだら壇に上がって中央に歩いていき、学長と握手してそのまま席に戻ります。成績がよい(distinctionといって最終成績が70点以上)生徒は、名前の後に「with distinction」と付け加えられ、大きな拍手が送られます。その他首席の生徒や最優秀論文の生徒はその旨説明され、またドクターの場合は博士論文のタイトルも読み上げられます。ちなみに卒業式当日は卒業証書(certificate)はもらえず、後日郵送となっていました(なので撮影で用いたのはダミーです)。ちなみに証書が実家に届いたのは3月中旬で、式の3ヶ月後・卒業発表の4ヵ月後でした。掲載はしませんが至ってシンプルで、拍子抜けしました。


全員への授与が終了すると最後にもう一度学長が話をし、解散です。外では記念撮影が始まってごった返します。晴れがましい気分に包まれて最高の気分でした。式後すぐに謝恩会のようなミニパーティーがあったのでそこに顔を出し、恩師にご挨拶とお礼を差し上げ、半年ぶりに会うクラスメートとお祝いや近況を述べ合いました。卒業式には全員出席するわけではなく、欧米のクラスメートでも3分の2位、アジア方面だと4分の1位でした。


ご挨拶等を済ませると、記念グッズを買いに生協(student union)に行きました。校章付きのリングやTシャツ等が売られています。自分は卒業生全員の名前が書かれたTシャツと校章のカフスボタン・ピンバッジ、校章にもデザインされているビーバーのぬいぐるみの4点を購入しました。注文販売はさらに充実していて、卒業証書が金の板やガラス板、はてはデキャンタに彫り込まれたものまでありましたが、ちょっと高いのでやめました。また、式はDVDに全て収録され販売されますし、写真も、学長との握手の瞬間を中心にいろいろ撮影され販売されます。両方とも注文しました。最後に衣装を返却して終了です。


卒業までの道のりは決して平坦ではなかったので、喜びもひとしおで、本当に楽しい一日でした。皆さんもくじけずにコツコツ頑張れば必ず、自分よりももっと楽に、学位にたどり着くことができます。自分が卒業式に出ているイメージを描くと、毎日の努力が少し楽になるかもしれません。ご健闘をお祈りしております。



ブログランキングに参加しています。よろしければ応援のクリックをお願いします!
人気blogランキングへ
にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
週間ブログ王へ
ブログランキング「くつろぐ」へ
学生ブログランキングへ