ハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)とローマ遺跡観光

MatchofTheDay2007-05-09



2世紀、ローマ帝国の支配がブリテン島にも及んでいた時代に、島の中北部、現在のカーライル(Carlisle)とニューカッスル(Newcastle)とを結んで、北部部族の侵入を防ぐために壁が築かれました。今でもその一部が残っており、ユネスコ世界遺産に指定されています(注1)。五賢帝の一人ハドリアヌス帝が建設を命じたことから、ハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)と呼ばれています。中でもハウスステッズ(Housesteads)というところには、2世紀に建築されたローマ時代の要塞跡がよく保存されているので、そこに行きました。








壁は丘の頂に沿って遠くまで伸びています。長い年月の間に長城は崩れ、石は建材に利用されてしまったようですが、ハウスステッズとその周囲にはまとまった長さで残っていました。残っている壁の高さは1mほどですが、その上に木や石で壁が伸ばされていて、2〜3mあったそうです。壁から北を望むと、眼下には牛が草を食み、その先にはノーザンバーランド(Northumberland)の森が広がっていました。壁のある丘から南は、畑や牧草地がずっと続いていました。


要塞跡には800人の兵士が住んでいたそうで、隊長の邸宅を中央に、周囲を兵舎や病院などの様々な建物の跡が囲んでいました。




高床式の倉庫。





隊長の邸宅。床の石もきれいでした。床暖房まであります。





兵舎の下水と水洗トイレ。ローマの建築技術の高さが伺えます。



要塞跡は丘の上なので見晴らしがすばらしかったです。案内板等の設備も充実していました。日本語での説明も板に書かれていてうれしかったです。素晴らしい遠足になりました。家からは車で3時間弱でした。ニューカッスルからは40分ほどだったと思います。バスを使う場合、カーライル又はニューカッスルからバスAD122番を使うのが便利なようですが、本数はだいぶ少ないようです。下のウェブサイトをご覧ください。


English Heritageのサイト
ttp://www.english-heritage.org.uk/server/show/conProperty.77


Hadrian’s Wall Country
ttp://www.hadrians-wall.org/index.aspx



注1 2005年にドイツの遺跡も追加され、世界遺産としての名称も「ローマ帝国の国境線(Frontiers of the Roman Empire)」と改称されたようです。