セミナー対策


セミナー(seminor)はイギリスの大学院の授業の半分を占める大事なものです。乗り切り方にもコツがあるように思います。今日はセミナーについてお話しします。


先日お話ししたとおり(大学院の授業)、セミナーは1つの科目につき、週1回1時間から1時間半行われるものが多いです。各回のテーマは、前回またはその回の講義の内容についてさらに掘り下げるようなものを、教官が指定します。初回の授業で配られる冊子(syllabusとかhandbookと言われます。上記リンク参照)に予め書いてあることが多いです。


イギリスのセミナーも、日本のゼミのような形で進められます。各テーマについて、1人又は複数で発表を行い、それについて残りの時間で議論する、というような流れで進められます。発表は15〜30分程度、レジュメやパワーポイントを用いて行われます。内容は、テーマに沿って、参考文献を基に議論を比較検討したり、具体例を盛り込んだりします。どのような内容にするか、どう進めるかは、基本的に生徒に任されます。同じテーマで発表を行う生徒のグループで議論し、進め方や内容、分担を決めます。どんな生徒と同じグループになるかによって、これらは全然違ってきます。できればまじめで優秀な生徒と同じグループに入りたいものです。これが一つめの(一番重要な?)コツと言えるかもしれません。


個人での作業の進め方のコツですが、まさに準備が全てです。パワーポイントをしっかり作り、発言メモもばっちり作成しましょう。発表を無事にこなすためには、原稿をしっかり作り、当日は一気に読み上げるだけにしておくのが無難です。柔軟さがなくなったり、下を向きっぱなしになって内容の伝達(deliveryと言われます)が悪くなる、というような批判もありますが、正直言ってこれが一番楽で、内容を正確に伝える一番の方法だと思います。セミナーでの発表はイギリス人生徒にとってもかなりの恐怖だそうなのでご安心を。


準備すべきものの分量は思ったよりも少なくてよく、20分の発表なら、パワーポイント8枚以下、原稿は1枚40行のA4用紙2〜3枚でしょうか。説明は自分で思っているより時間がかかるので、こりゃ少ないかな、と思えるくらいの分量で十分です。本番前に一度予行演習しておくと安心です。計時しながら、予定しているのと同じように、パワーポイントを進め、原稿を読んでみてください。時間がちょっと余るくらいでちょうどいいです。


内容の伝達や受けを良くするコツですが、ゆっくり読むことと、具体例を多く盛り込むことです。読み上げは、自分で「ちょっとゆっくりすぎるかな」と思うようなスピードで大丈夫です。一般に日本人は発音が良くないですが、意識して遅くすればちゃんと聞き取ってもらえるようです。


具体例とは、例えば社会政策で言えば、年金について語るなら、先進国での制度を簡単に説明するようなことです。スウェーデンではこうなっていて、199x年に制度改正があってこうなって、一方フランスでは…、等々。例として日本のことを入れると、また効果が上がります。遠いことや言葉が難しいこともあって、ヨーロッパの人間にとって日本ははまだまだ未知の世界のようです。その学問分野に通暁しているはずの教官ですらも、日本のことはあまり(ほとんど?)知らなかったりします。自分がセミナーで日本の年金制度について説明したときは、教官も含めみんなカリカリとメモをとったので、少しうれしかったです。


自分の言っている内容がいまいち理解してもらえていないな、と感じたときや、原稿がこれだとちょっと分かりにくいかな、と思ったときは、同じ内容を少し言い換えて繰り返すのも手です。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、という作戦を取るわけです。また、当日は、パワーポイントを印刷したものを人数分作って配るのも効果的です。自分の発音の悪さをカバーできますし、またパワーポイント等の機器が壊れているようなケースも多いからです。



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