英語の上達サイクル


留学を決めて華々しくイギリスに到着し、いざ授業に出てみても、英語があまり聞き取れず、話せません。困ったことにいつまで経っても上達している実感が得られません。ですが、実力は着々とついていますので焦らないでください。自分もそうでしたし、友人も似たようなことを話してくれています。留学した人はたいてい通る道のようです(もちろんそうならない人もいましたが)。今日は、留学中の英語の上達についてお話しします。なお、勉強全般における初期症状については、留学初期のショックをご参照ください。


イギリスに到着してすぐの段階で、まず英語が聞き取れない・話せない状態になります。これはある意味当然です。始めのうちは生の英語に慣れていなかったり、緊張していたりするからです。まぁそれも当然かな、と自分でも思って、日々が過ぎていきます。最初の授業の日。先生の話す言葉は何とか分かるものの、セミナーでの生徒の英語はほんの一部しか聞き取れないこともしばしばです。でもこれも慣れていないので当たり前といえば当たり前。数週間もすれば慣れるだろう。と考えて予習にいそしみます。そしてその数週間が経った頃、症状がいきなり表れます。上達どころか、むしろヘタになってしまったような気がするのです。スランプに陥る、と言ってもいいのかもしれません。前に聞き取れていた先生の英語が急に聞きづらくなったり、簡単なせりふが出てこなくなったりします。そしてその“英語がヘタになってしまった感”は、1学期の授業が終わるまでずっと続いてしまったりします。


この“英語がヘタになってしまった感”は、自分も含め多くの留学生が経験しています。英語は渡航するまでにあれほど勉強したし、今でもずっとまじめに取り組んでいるのに、と悔しくなったりもしますが、ここで変に焦ったり落ち込んだりしてはいけません。努力が足りないんだ、と自分を責めるなんてことはもってのほか。決してそんなことはしないでください。


この“英語がヘタになってしまった感”が生じる理由についてですが、主に2つかな、と思っています。まず始めには、渡航して数ヶ月の間、なれない英語漬け生活によって、脳に少しずつ疲れが溜まっていることが挙げられると思います。留学すると、買い物等のささいなことでも英語を使わなければならなくなりますし、話しかけられる言葉も英語です。普段見かけるのは英語ばかりです。そんな環境におかれますので、今まで日本語を処理してきた脳にはそれなりの高い負担がかかります。その負担が少しずつ溜まっていって、脳の処理能力・速度が落ちてしまい、“英語がヘタになってしまった感”が発生するようです。もう一つは、英語が上達していて当然だと無意識に思ってしまっていることを挙げたいと思います。留学を果たし、数週間も経つと、授業にも慣れ、生活のリズムができてきて、少しゆとりができます。英語がうまくなっていて当たり前だ、という意識が少しずつ現れてきて、自分への過度の期待になってしまい、求める英語の水準が上がってしまうのです、それにより、現実に聞き取れる・話せる英語との間にギャップができ、それが“英語がヘタになってしまった感”につながる、と考えています。


英語の上達をグラフで表すなら、少し上昇した後、平坦な時期、すなわち時間が経ってもあまり上達しない時期、があって、それを経て、ある日急にまた上昇を始める、というような感じになるのではないかと思っています。勉強中の自分の英語テストの点数推移はまさにそのパターンでしたし、また“英語がヘタになってしまった感”に包まれた時期をしばらく経験したら、ある日突然英語が楽になりました。去年の1月中旬、2学期の3週目位だったと思います。授業に出ていてふと、あれ何だか楽に聞けているな、と思い、で文章を読んだりセミナーの話を聞いたり発言してみたりして、実際にだいぶ楽になっていることを確認できました。これもやはり多くの友人が同様の経験をしたと言っていました。その時期が、先のグラフの例で言う、上昇に転じた時期に当たるのだと思います。


コンピューターにたとえるのも何ですが、英語の上達にはデフラグ期間が必要なのかな、と思っています。脳に乱雑に蓄積された知識・経験を、ある時期に一括して整理整頓することが必要で、その期間は一時的にパフォーマンスが落ちる、でもそれは着々と進行し、終わったときには知識・経験が有機的に結合されて実力になっている、なので突然上達したように思える、というようなモデルが描けると考えています。このサイクルを繰り返して英語は上達するのかな、と思います。英語の勉強とはそのデフラグに至るまで知識・経験を溜めることであり、それをきちんとすれば英語は必ず上達する、と言えるのかもしれません。


英語の上達は、デフラグ期間を経てサイクル状に展開していきます。留学中に英語がヘタになったと感じても、自分を責めたり、更なる負担を己に課したりしては決していけません。焦らずコツコツと勉強していれば、英語が楽になっていることにふと気づく日が必ず来ます。つらいときは、日本語の雑誌を買ってきて読んだり、又は何もせずボケッとする時間を設けるなどして、脳に少し時間とゆとりを与えてあげると、デフラグが早く終わるかもしれません。あなたの実力は着実に上がっていきます。自分を信じてコツコツやっていきましょう。



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