5.荷物を送る


遠いイギリスに物を運ぶにはそれなりのお金がかかりますが、渡航・滞在の予定を考え合わせると、お得で便利に送ることができます。今日は荷物の送り方についてお話しします。なお、カテゴリー「留学への道」の、「1.情報収集」「2.出願」「3.合格」「4.渡航の準備・生活設計」も併せてご覧いただけるとありがたいです。また、「持参するといいもの・便利なもの」もぜひご覧ください。


大まかな流れとしては、運送会社に1〜2ヶ月前に連絡→荷物の目安をつける→見積もり・梱包財受領→荷造り→集荷、という感じでしょうか。運送会社はいくつかあり、サービス内容や値段なで違いがあるようですので、比べてよく検討してみてください。


普段から携帯しているようなものでないものを海外に送る方法としては、航空便、別送手荷物、船便の3つがメインです。航空便は、通常の小包のようなもので、日本から送ると1週間位で受領できます。別送手荷物とは、自分の手荷物を、自分のフライトとは別の便(同じ便の可能性もあります)で送る、というようなものです。これを利用すると、渡航後1〜2週間で荷物を受け取ることができます。船便は、文字通り船で目的地まで送付するもので、手元に届くまで2ヶ月程度かかります。送料は受け取りまでの時間に反比例するようで、航空便、別送手荷物、船便の順で高いようです。


船便のメリットは3つあると思います。まず一つめは、大きさ(体積)のみで値段が決まる(例:1立方メートルで○円)ため、重いものを送るときは有利になることです。航空便や別送手荷物は、重量も値段決定の要素になっています(例:160cmまで及び25kgまでで○円)。二つめのメリットとしては、送り先住所が決まっていなくても発送できることです。自分は学校の寮から内定をもらえなかったので、確たる送付先が決まっていない状態で発送しなければならず、結果として航空便や別送手荷物は利用できませんでした。三つめのメリットは、発送してから受領まで時間があるので、その間ゆっくり家探しができることです。船便は2ヶ月程度かかるため、届くまで気長に待つ必要がありますが、その分ゆとりができます。大きく重たい荷物を受け取っても、住居が決まっていないのでは、移動の際に重荷になるだけですから、輸送時間をうまく利用すれば、身軽に住居探しができます。


別送手荷物(unaccompanied luggage)はアナカンとも呼ばれます。航空会社が行っているサービスで、航空券を持っていないと利用できません。依頼の手続きは、自分でもできなくはないようですが、通関の手続き等が必要なため、運送業者がそれらの手続きを代行しています。メリットは、送料が航空便よりも多少安くなることや、意外に多くの荷物を送れることでしょうか。航空会社によってサービス内容が違うようです。


航空便は、この3つの方法の中で、一番早く受け取れる可能性が高いものですが、送料も高く、また送り先住所が決まっている必要があります。渡航の際に引越し荷物を送る手段としては高いようなので、住居が決まった後で日本から生活必需品を送ってもらう際に利用するのがいいと思います。


送付のコツですが、留学の場合は、住居(とりあえずの送付先)が決まっているのであれば別送手荷物を、そうでない場合は船便を基本とし、日々の生活をまかなえる程度の荷物を旅行カバンに詰めて携行するといいと思います。船便が届くまでの2〜3ヶ月の生活を旅行カバンのみでまかなう、というとちょっとつらいかもしれないので、その場合は航空便で何とかしのぎましょう。書籍などの重いものや季節物の衣料品など、使用まで間があるものはコストの低い船便で送って、送料を抑えましょう。


梱包の際は、Tシャツや衣類を隙間に詰めて梱包材代わりに使うと、スペースを節約できてより多くの荷物を詰められます。また、書籍用の箱だからといって本をいっぱい詰めるのは、箱の耐久性や運搬時のつらさという点から問題です。重いものや堅いものはあまりまとめずにいくつかの箱に分散させ、重量の偏り等が生じないようにしましょう。


以下自分の体験を。05年7月上旬にイギリスに渡航しましたが、渡航前には確定した送り先を得られなかったため、メインの送付方法としては船便を選択しました。時間がかかることを逆に利用できると考えたためです。自分の荷物は多かったのか少なかったのか分かりませんが、とりあえず1立方メートルに収まったので、値段も10万円強と、それほど高くなかったです。


渡航してから9月までは「遊ぶつもりだったので」語学学校や英国文化に触れることを中心に据えていたので、荷物はそれほど必要ありませんでした。勉強道具はあまり必要ありませんし、衣類は夏物で十分で(街中は意外に暑い)、友人の家やホームステイ先、ホテル等で洗濯できると思ってあまり多くは持っていかなかったためです。大きめのスーツケース(1週間向け)1つに50リットル位のバックパック1つ、あと普通のリュックサック一つで十分でした(かなりパンパンになりましたが)。荷物にはパソコンやその接続道具を入れていましたが、この国でもインターネットカフェはそれなりにあるので(参照:イギリスのインターネット事情)、全く不要でした。その代わりにボディソープやシャンプー、タオルやスリッパ、ビーチサンダルなど、生活アメニティ系を増強すればよかったかもしれません(参照:持参するといいもの・便利なもの)。荷物が少なかったおかげで、別送手荷物や航空便は使わないで済みました。


船便の荷物には、冬物の衣類や下着のストック、日本語の学習参考書の他、コンタクトレンズケア用品、炊飯器、どんぶりや箸置き等の和食器、ゴルフバッグ、スーツと革靴などなどを詰めました(参照:持参するといいもの・便利なもの)。今思えば、冬物衣類を少なくして、保存のきく食材でこちらで値段が高いもの(麻婆春雨やら混ぜご飯の素やら)を増やしてもよかったかなと思っています。いざとなればこの国でも日本で買えるものと同じもの・日本とは違うがほぼ同等同質のものがそれなりに手に入るので、あまり荷物を多く持ってくる必要はありません。


なお、荷物を送る際には送るものの名称や数、その代金などを記載したリストを作成しなければなりませんが、代金は、保険料ひいては運賃にも影響するので、もし送付コストを抑えたいのであれば、購入価格より安く書いてもいいのかもしれません。念のため運送会社にお問い合わせください。


荷物を送る段取りがついたら、いよいよ留学、と気分が高まります。必要なものは漏らさず、でもあまり多くなりすぎないようにする、というのはなかなか難しいですが、いろいろよく考えてみてください。「それほど手厚く持って行かなくてもけっこう大丈夫」、「航空便は思ったよりも早く届く」、というのが自分や友人たちの印象です。



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