海外旅行傷害保険に入る


留学の準備に当たって、海外旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。今日は海外旅行傷害保険についてお話しします。なお、イギリスの医療システム(NHS)については、4月28日の「イギリスの医療システム(NHS)」でお話ししていますので、そちらも併せてお読みください。


NHSを利用すれば、留学生でも無料で診察が受けられますが、登録が必要な上、受信する医療機関を選べるわけではなく、長いこと待たされる可能性がある、という問題点があります。簡単におさらいすると、NHSへの登録は問診(予防接種もありうる)を受けた上で行い、受診時には一般医(GP)の診察を受けてから専門的な医療機関に行きます。一般医・専門医療機関ともに予約制で、数週間待たされることもあります。


これは日本とはだいぶ様子が違います。多少の例外はありますが(紹介状の要否等)、医療機関を選べる上、当日に診察を受けることがほぼ可能です。国保・健保に加入して毎月保険料を払い、さらに受診時には自己負担がある、ということで目に見える金銭負担は少なくないですが、すぐ診察してくれることを考えれば、日本の仕組みのほうが患者にとってはありがたいのではないか、と思います。素早い診察・加療というのは医療の基本中の基本であるように思っていましたが、この国ではそうではないようです。


緊急時(ケガをしたとき救急車を利用すべきとき)に備えて、NHSには渡航後すぐに加入したほうがいいですが、それ以外の備えもあったほうがいいと思います。自己負担で診療を受ければ、医療機関を選べることから、比較的早く診察・治療が受けられるようですが、費用はかなり高くつきます。なるべく医療機関の世話にならないように日々を過ごすのが一番ですが、災難はいつ来るか分からないものです。そういった有事の高い費用に対処するべく、日本の海外旅行傷害保険に加入してからイギリスに来ることをお勧めします。


保険に加入しておけば、こちらの医療機関にかかって自分で医療費を負担した場合でも、後から保険会社に費用を請求できます。ロンドンには日本語の使える医療機関がいくつかあり、自己負担での診療を受け付けています。海外旅行傷害保険を利用することができ、場合によってはキャッシュレスでの診察も可能なようです。自分も何度か日本語の使える医療機関にお世話になりましたが、キャッシュレスでできたので楽でした。保険会社のヘルプデスクは、最寄の医療機関の紹介や、病人やけが人の移送の手配などもしてくれるようです(利用したことは幸いまだありません)。


留学生向けに保険を提供している会社はいくつかあり、サービス内容も様々なようです。保険料は決して安くはない(自分の保険は2年分で40万以上でした)ですが、この国では安心・安全はお金で買うものなので、ぜひご検討ください。


なお、加入する場合は、手続きは国内でしかできないことにご注意を。保険証券の発行にも多少時間がかかるようですので、渡航前1ヶ月前位には手続きを始めましょう。